1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2016年5月19日 No.3270
  5. ハズラム米テネシー州知事一行との懇談会を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年5月19日 No.3270 ハズラム米テネシー州知事一行との懇談会を開催

左から村瀬アメリカ委員長、ハズラム知事、
ボイド長官、石原副会長・アメリカ委員長

経団連は10日、来日中のビル・ハズラム米国テネシー州知事一行との懇談会を開催した。経団連では昨年6月、訪米ミッションでテネシー州を訪問した際、ハズラム知事らと懇談している。当日は、アメリカ委員会の石原邦夫・村瀬治男両委員長をはじめ、約30名が出席し、ハズラム知事ならびにランディ・ボイド同州政府経済開発庁長官からの説明を受け、活発な意見交換が行われた。ハズラム知事の説明要旨は次のとおり。

テネシー州のビジネス環境は、世界で最も良好だと自負している。日本企業による同州への投資額は、外国企業のなかでも最大であり、他の外国企業による投資額をすべてあわせた金額よりも大きい。進出日本企業数も、昨年のミッションの際には179社だったところ、現在は184社に増えている。これを近い将来200社とするため、ビジネス環境の一層の整備に努力したい。

州政府は、州民や州で事業活動を行う企業等を顧客とするサービス企業であり、テネシーでは企業経営の考え方や手法を州の経営に取り入れている。雇用を生み出すためにはリスクを取って資本を投じることが重要であり、州政府の経営を効率化することで、株主にとっての資本収益が高まるよう努力している。例えば、テネシー州民1人当たりの州政府の債務は全米で最も低い水準にあり、州政府のバランスシートは強く、健全である。

テネシー州の強みは、(1)自動車やヘルスケア、物流等の産業が引き続き成長していること(2)所得税がゼロであること(3)企業にとって重要な教育への投資に力を入れていること――である。(1)の物流では、米国の中心部にあるという立地から全米へ容易にアクセスできる点に加えフェデックスの成長にみられるように経済のグローバル化による恩恵も大きい。(2)に関しては、本社はニューヨーク等に置きつつ、IT部門などのバックオフィスをテネシーに移す企業が増えている。(3)の教育では、高校を卒業していれば誰でも無償で高専や短大など2年制大学に入れる「テネシー・プロミス」を実現し、米国の高等教育の状況を一変させた。今年の州予算でも、増税することなく最大の教育投資を行うとしている。

<質疑応答>

米国大統領選挙において、共和党・民主党の有力候補者がいずれもTPP(環太平洋パートナーシップ)協定に否定的な発言をしていることに対する見方を問われたハズラム知事は、テネシーでは自身も州選出の上院議員もTPPを支持していると答え、個人的には「レームダック・セッション」(上下両院議員選挙後、新議員就任までの間に行われる議会)でのTPP承認を期待すると述べた。

【国際経済本部】

「2016年5月19日 No.3270」一覧はこちら