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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年7月28日 No.3280 第7回アジア・ビジネス・サミットをシンガポールで開催

参加の各国経済団体代表

経団連は16日、シンガポール経団連とともに、シンガポールで第7回アジア・ビジネス・サミットを開催した。同サミットは経団連の提唱により発足、2010年から毎年開催されており、アジアの主要国・地域の経済界のトップが一堂に会してアジアが抱える共通の課題について意見交換を行い、各国政府に政策提言を行っている。

今回は、10の国・地域から11の経済団体(注)の首脳が参加して、(1)アジアの成長戦略(2)イノベーションと技術(3)地域経済統合(4)インフラ開発(5)環境とエネルギー――をめぐり活発な意見が交わされた。経団連からは、榊原定征会長、内山田竹志副会長、木村康副会長、宮永俊一副会長、飯島彰己副会長が参加した。

なお、今年は日本とシンガポールの外交関係樹立50周年にあたることから、15日にこれを記念したシンポジウムがあわせて開催された。

■ 主な議論の模様

榊原会長からは、「アジアが今後も中長期にわたって成長を遂げていくためには、『グローバリゼーション』と『イノベーション』の取り組みがカギとなる。そのために、(1)地域経済統合の一層の推進(2)基幹インフラの整備(3)産業と国民生活を革新するイノベーション(4)環境保護と両立した経済成長モデルの確立といった課題に各国が連携して取り組む必要がある」との発言があった。

また、他の参加者からは、「アジアの成長に向けて、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の締結を通じて、最終的にFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の構築を図るべきである」「昨年末のASEAN経済共同体の発足を受けて、今後、さらにASEAN諸国への投資を加速するためには、インフラ整備とともに、経済発展を支える幅広い人材の育成が重要である」といった意見があった。

■ 共同声明(概要)

当日の議論を受けて、共同声明が取りまとめられた。概要は次のとおり。

  1. (1)アジアが持続的な経済成長を果たしていくためには、RCEPなどの経済連携協定を早期に実現し、最終的にFTAAへとつなげていく必要がある。

  2. (2)アジアの安定的な成長の基盤となる質の高いインフラ整備を一層促進していく必要がある。そのためには、ファイナンス、調達制度、関税など各国の投資環境の整備が求められる。

  3. (3)アジアの中長期にわたる成長基盤の構築に向けて、絶え間ないイノベーションの取り組みが不可欠である。そのため、各国との共同研究開発の推進、高度人材の移動の自由の確保、知的財産権の保護などが必要である。

  4. (4)環境・エネルギー問題に関して、昨年12月のCOP21で採択されたパリ協定について、各国が早期批准と履行を行うとともに、エネルギー効率のよい技術や製品の開発、普及の促進などによって、各国が協調して排出量削減に努めるべきである。

※共同声明本文は経団連ウェブサイトに掲載

榊原会長(左から3人目)と各国参加者

次回のアジア・ビジネス・サミットは、韓国全経連の主催により、17年度中に韓国で開催される。

(注)経団連、中国国際貿易促進委員会、インド工業連盟、全経連(韓国)、マレーシア日本経済委員会、比日経済委員会(フィリピン)、シンガポール経団連、東亜経済会議台湾委員会(台湾)、工商協進会(台湾)、タイ商業・工業・金融合同常任委員会

【国際協力本部】

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