Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年9月29日 No.3286  世耕経産相との懇談会を開催 -GDP600兆円経済実現に向けた方策で意見交換

あいさつする世耕経産相

経団連(榊原定征会長)は15日、都内で世耕弘成経済産業大臣との懇談会を開催した。経済産業省から世耕大臣、高木陽介副大臣、松村祥史副大臣、中川俊直大臣政務官、井原巧大臣政務官、菅原郁郎事務次官ら幹部が、経団連からは榊原会長、岩沙弘道審議員会議長をはじめ、副会長、審議員会副議長、関係委員長が出席した。

冒頭、榊原会長は、産業界の関心が高い経済産業政策である、(1)官民戦略プロジェクト10の推進(2)Society 5.0の推進(3)臨時国会でのTPP(環太平洋パートナーシップ)協定の早期承認――を求めた。また、昨年11月の「未来投資に向けた官民対話」で提案した9つの事業環境整備を含め、これまでの成長戦略・構造改革への取り組みを検証するとともに、官民で新たな成長戦略の方向性を検討していきたいと発言した。

続いて世耕大臣は、「アベノミクスの切り込み隊長」としてGDP600兆円経済の実現に全力投球すると表明。アベノミクスのエンジンを一層加速化すべく、あらゆる政策を総動員し、未来への投資を加速化していきたいと述べた。そのためにも、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、ロボット等の技術革新が産業や社会生活を変革する「第4次産業革命」の実現が最大のカギとなると指摘し、医療、介護、自動走行等、わが国の強みを活かせる分野で明確な戦略を打ち出すこと、サイバーセキュリティ、人材、研究開発等の分野で具体策を提示していくことを、官民連携で取り組んでいく考えを示した。

また、働き方改革については、一億総活躍社会の実現に加えて、生産性向上や産業競争力強化の観点からも重要とした。経産相として、各業界の実態をよく把握し、「働き方改革実現会議」の議論に貢献したいと述べる一方で、実際に働く場所である企業の変革が重要と指摘。経営トップによるリーダーシップの発揮を求めた。

さらに、安全が確認された原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの導入促進等エネルギー政策や、臨時国会でのTPPの批准・関連法案の成立に取り組むと発言した。このほか、賃上げの継続や下請中小企業の取引条件の改善等、経済界に対する具体的な要請もあった。

その後の意見交換では、Society 5.0、環境・エネルギー政策、経済連携、日露経済協力、社会保障改革、下請取引の適正化、働き方改革、コンビナート港湾の強靭化、インフラ輸出等、多岐にわたるテーマについて活発な議論が行われ、今後も意見交換を行っていくことで合意した。

【産業政策本部】