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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年10月6日 No.3287 Japan Innovation Networkの西口専務理事とイノベーション経営めぐり懇談 -大企業発のイノベーションに向けて/起業・中堅企業活性化委員会

経団連の起業・中堅企業活性化委員会(根岸修史委員長、立石文雄委員長、泉谷直木委員長)は9月13日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、Japan Innovation Networkの西口尚宏専務理事から「イノベーション経営~本業を持つ企業が、新事業を生み出すために何をすればいいのか?」をテーマに説明を聞くとともに懇談を行った。

Japan Innovation Networkは、「イノベーションは経営者の仕事である」をキーワードとして、大企業発イノベーションの加速支援を幅広く手がけている。西口氏は日本長期信用銀行でM&Aアドバイザリー、世界銀行グループで多国籍人事制度の改革、産業革新機構の設立等を経て同法人を立ち上げた経験を持ち、特に「日本の大企業の特性に応じたイノベーション加速」のノウハウを経済産業省などと連携しながら幅広い企業関係者に啓蒙している。
説明の概要は次のとおり。

■ イノベーションの定義の変化

多くの大企業において「イノベーションは尖った個人が興す」「大企業のなかからはイノベーションは生まれない」と指摘されているが、人と業務環境を整え、経営として対応することによって、創業者に限らず既存企業からイノベーションを興し続けることができる。そして昨今、イノベーションの定義が技術起点から価値起点に変化しているとの指摘もある。技術にこだわらなくとも、価値のデザイン力(構想力)を高めることで、経済的・社会的価値を生み出すソリューションを構築でき、企業の競争力向上につなげることができる。

今後は生まれたアイデアを育てて価値に変換していく組織的な活動を行えば、大企業においてもイノベーション創造の可能性が高いといえる。

■ 必要な「二階建て経営」「社内エコシステム」

イノベーションのためには、効率性と創造性の両立を経営として行うことが不可欠である。既存事業の拡大と新事業の創造という2つの活動の両立を「二階建て経営」と定義している。既存事業の拡大は実行力や効率性がカギとなるが、新事業の創造には探索や実験がカギとなり、この両立を経営としていかに実行するかが課題である。

また、新事業の創造に資するイノベーションは「試行錯誤をする」という仕事であると定義される。つまり、試行錯誤を止めることがイノベーションを殺すことにつながり、企業は試行錯誤する人材を支援することが不可欠であろう。そうした人材を活躍させるためにも、経営者のコミット、事業創造人材(チーム)や加速支援者からなる「社内エコシステム」が必要であろう。

【産業技術本部】

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