Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年10月13日 No.3288  ツェラル・スロベニア首相と懇談 -日本企業とのさらなる関係強化を期待

ツェラル首相(左)と石塚ヨーロッパ地域委員長

経団連は4日、東京・大手町の経団連会館で、スロベニア共和国のミロ・ツェラル首相との朝食懇談会を開催した(座長=石塚博昭ヨーロッパ地域委員長)。ツェラル首相にとって今回が初めての訪日であり、3日には京都で開催された第13回STSフォーラム年次総会に出席した。同フォーラムには榊原定征経団連会長も来賓として出席しており、短時間ながら同首相と親しく懇談した。
朝食懇談会での首相の発言の概要は次のとおり。

スロベニアは欧州の中心部に位置するなど地理的・戦略的な立地条件がよく、質の高いインフラ、高技能で多様化した労働力、良好な経済指標、健全な税制など、投資先として優れたビジネス環境を有している。しかし、スロベニア政府は現状に満足することなく、長期的成長や質の高い雇用創出を実現していくために、主要分野の生産性や効率向上を促す措置を導入している。

日・スロベニア関係は良好で、特に近年では家電最大手のゴレニエ社とパナソニックの資本・事業提携、安川電機による欧州開発センターの設置など、両国企業間の交流が深まっている。また、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によるスマート・コミュニティ実証事業が近々開始される予定である。

日本企業による対スロベニア投資は、2014年の3400万ユーロから15年には7110万ユーロに増加し、貿易面でも、15年の物品貿易は前年比約25%増、サービス貿易は60%超の伸びを記録した。先月30日には、日・スロベニア租税条約が署名された。また、スロベニアはEUの一員として日EU EPAの早期実現を強く支持しており、実現の暁には、両国の経済関係が一層強化されることを期待している。

今月17日に予定されている19年ぶりの経団連ミッションのスロベニア訪問を心から歓迎する。皆さんをお迎えする準備は着々と進んでいる。スロベニアは日本企業を尊敬するとともに高い関心を持っており、日本の成功に学び、成長を実現したい。具体的には、エネルギー、電気自動車関係、鉄道・港湾等の輸送インフラ、産業ロボット等の分野について、日本企業とのさらなる関係強化を期待している。

【国際経済本部】