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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年12月1日 No.3295 「中国企業の現状に関するセミナー」開催 -21世紀政策研究所

21世紀政策研究所(三浦惺所長)は10月26日、東京・大手町の経団連会館で「中国企業の現状に関するセミナー」を開催した。

中国政府は「第13次5カ年計画」でこれまでの高速成長から中高速成長へと移行していくことを掲げている。こうしたなか、経済政策の重点は量から質へとシフトし、今後、経済や企業に構造的な変化が生じることが予想される。そこで、同セミナーでは、学習院大学経済学部経営学科の渡邉真理子教授が中国の国有企業と民営企業に関する政策と現状について、また、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所の丁可副主任研究員が中国の製造業および深圳などのベンチャー市場で生じている地殻変動について講演を行った。

■ 国有企業改革の変遷

渡邉教授は、中国の国有企業の問題点について、1990年代までの「非効率性」と「赤字」の問題から、現在は「民間に対する特別な地位」が市場経済に与える悪影響に主要な論点が移っていると説明した。また、中国の市場は国有企業の影響力に応じて、行政独占市場と混合市場に分類され、それぞれで状況が異なると指摘。石油加工などの行政独占市場では環境汚染や供給制限など法をしのぐ事態が生じている一方で、混合市場では国有企業が市場をゆがめることが問題となっていると説明した。混合市場はさらに、比較的大手の国有企業が民間企業と競合する市場と、国有企業のプレゼンスが現時点ではほとんどない市場とがみられると指摘。鉄、アルミ、セメントなど過剰生産能力と低品質が問題となっている産業は前者であり、中国政府も改革の必要性を認識していると言及した。

一方、後者はインターネット、携帯電話、ドローンといった産業で、中国の健全な成長を支えている市場であるが、政府や共産党との関係は定まっておらず、両者の関係が今後注目されるとした。また、アリババやテンセントなど巨大なプラットフォームを有する企業の影響力が大きくなっていることも指摘した。

■ 活発化する深圳のベンチャー

丁副主任研究員は、中国の経済政策において、2015年は「インターネット+(プラス)」、16年は「工匠精神」がキーワードであると説明。インターネットを単なるツールとしてだけでなく、これまでのビジネス・モデルを覆す「インターネット的発想」という考え方が浸透してきていると指摘した。具体的には、(1)プラットフォームとエコシステムの形成(2)プロダクトよりもサービス重視(3)ユーザー主導の製品開発(4)分権型組織――を特徴とすると述べた。

また、16年になって「工匠精神」が取り上げられたのは、インターネットだけでは基幹部品を開発できないなど、中国のものづくりの問題点に対する反省があったと説明。現在は「インターネット+」と「工匠精神」が融合したベンチャー市場が深圳で活発化し、「創客(Makers)」というイノベーターが世界中から集まり活躍している状況を紹介した。

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同研究所では今後も中国の産業界や企業の新たな動向について引き続きセミナー等を通じて情報発信を行っていく予定である。

【21世紀政策研究所】

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