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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年2月16日 No.3304 経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム
「グローバル・ビジネスの現状と課題」
-最終講義を開催

経団連は1日、東京・大手町の経団連会館で、半年間にわたり上智大学の協力を得て実施してきた経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム「グローバル・ビジネスの現状と課題・導入講座」の最終講義を開催した。2012年度から実施している同講座は、主に大学2、3年生を対象に、企業の実務担当者による講義を通じて、グローバル・ビジネスの実態や仕事への理解を深め、これからのグローバル・ビジネスの現場で求められる人材の素質・要件を考えながら各自のキャリアを考える機会を提供することを目的としている。

竹之内教授

今年度は29名の学生を対象に、全学共通・単位認定科目として開講。経団連会員企業9社(※)の講師が、各社のグローバル事業の現状や今後の方向性、直面する課題について講義を行い、グループ討議や講義後のレポート提出などを通じて、グローバル・ビジネスの現場で必要な考え方や持つべき視点等を学生に伝えた。

最終講義では、学生が6グループに分かれ、同講座のコーディネーターを務めた竹之内秀行教授から提示された課題「企業はグローバル化を進めるなかで、さまざまな人材をめぐる課題に直面している。そのなかで、グローバルな人材をめぐる『ユニークな取り組み』を取り上げ、グローバルな人材育成に関し提言せよ」に対してプレゼンテーションを行った。学生たちは、「外国語能力の高い人材がグローバル人材であると考えていたが、今回の企業の講義によって認識を改めた」と述べ、グローバル人材を「多様性を認められる人」「課題を発見し解決できる人」などと定義したうえで、そのような能力を持つ人材の育成についてグループごとに提言。社内でのフリーアドレス制度(注)の導入や、新人研修の一環で田植え研修を実施するといった企業の具体的事例を取り上げながら、企業に対して「無駄をつくることであえてコミュニケーションを取る職場づくり」や「社外の人材や異分野業種の人材との交流を取り入れた研修の実施」などを求めた。他方、学生に対しては、グローバル人材となるには社会人になってからの自己研鑽では遅く、高校生、大学生のうちから、多角的視野を持つためにさまざまなコミュニティーへの積極的な参加などが必要であると指摘した。

企業人講師は学生からの提言一つ一つにコメントしたほか、最後に三宅龍哉教育問題委員会企画部会長が講義全体を通じての感想を述べ、「グローバル・ビジネスにかかわることが現在の日本企業では前提となっているため、優秀な人材=グローバル人材になってきている。学生の皆さんには、今日発表していただいたグローバル人材として必要な能力を培うためにも、学生時代の今しかできないことに挑戦してほしい」とエールを送った。

学生による発表風景

経団連では4月から、導入講座を履修した大学3、4年生を対象に内容をより掘り下げ、課題に対する解決策を考察、討議する「本講座」を開講する予定。

※ 清水建設、新日鐵住金、住友商事、大和証券グループ本社、東京ガス、日立製作所、みずほフィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険、三越伊勢丹ホールディングス

(注)フリーアドレス制度=オフィスにおける社員の座席を固定しない制度。社内のコミュニケーションの活発化を目的に、IT企業やベンチャー企業をはじめとする先進的な社風を標榜する企業が導入している

【教育・スポーツ推進本部】

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