Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年3月23日 No.3309  金属業種各社が回答を提示 -2017春季労使交渉

自動車や電機、鉄鋼、造船重機など金属業種の各企業は、回答指定日である15日に、労働組合の要求に対する回答を一斉に提示した。

今年の春季労使交渉・協議は、経済の先行き不透明感が高まっているなか、デフレ脱却と経済再生の実現に向けて、賃金引き上げのモメンタムを継続すべく、労使で真摯な話し合いが行われてきた。その結果、多くの企業が4年連続となるベースアップや、賞与・一時金の満額または昨年実績以上の支給を回答。さらに今年は、有期契約社員や定年後継続雇用社員の処遇改善が進展したほか、働き方改革の推進についても重点的に取り組む企業が目立っている。

[自動車]

月例賃金については、トヨタが9700円(賃金改善分2400円含む)、日産が7500円(うち賃金改善相当分1500円)、本田技研がベースアップ1600円、ダイハツが賃金改善分1500円、スズキが賃金改善分1500円、いすゞが賃金改善分1400円、富士重工が賃金改善分1100円相当、マツダが賃金改善分1100円、三菱自工が賃金改善分1000円と、いずれもベースアップ実施を回答した。

年間一時金は、トヨタが6.3カ月(昨年実績比マイナス0.8カ月)、日産が6.0カ月(同プラス0.1カ月)、本田技研が5.9カ月(同プラス0.1カ月)、富士重工が6.2カ月(同マイナス0.3カ月)、ダイハツが5.5カ月(同プラス約0.2カ月)でいずれも満額を回答。このほか、スズキが5.8カ月(前年同月数)、マツダが5.3カ月(同マイナス約0.3カ月)、いすゞが5.8カ月(同マイナス0.3カ月)、三菱自工が5.0カ月+5万円(同マイナス約0.5カ月)の回答となっている。

[電機]

日立製作所や三菱電機、日本電気、富士通、パナソニックグループ、富士電機などの主要11社は、月例賃金では、賃金体系維持に加え、水準改善額1000円と回答した。

年間一時金では、日立製作所が5.71カ月(昨年実績比プラス0.02カ月)、富士電機は5.35カ月(同プラス0.05カ月)、三菱電機は5.83カ月(同マイナス0.11カ月)となっている。なお、日本電気や富士通、パナソニックグループなどは業績連動方式を採用している。

[鉄鋼・造船重機・非鉄]

月例賃金について、鉄鋼は、昨年2年分をまとめて妥結しており、今年は、新日鐵住金とJFEスチール、神戸製鋼所などで1000円の賃金改善が行われる。他方、昨年から単年交渉となった造船重機・非鉄では、賃金改善として、三菱重工やIHI、三井造船、川崎重工、住友重機が1000円、三菱マテリアルが800円と回答した。

年間一時金については、三菱重工が62万円+4カ月(昨年実績比マイナス2万円)、IHIが4.8カ月(同プラス約0.3カ月)、三井造船は4.7カ月(前年同月数)、住友重機械は5.3カ月(前年同月数)と、概ね昨年と同水準となっている。新日鐵住金やJFEスチール、神戸製鋼所、川崎重工、三菱マテリアルは、業績連動方式により決定する。

【労働政策本部】