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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年6月15日 No.3319 「創設25周年記念式典」を開催 -経団連自然保護協議会・経団連自然保護基金

25周年記念特別基金助成事業・支援プロジェクトの
実施団体に認定証を授与(右は二宮会長)

経団連自然保護協議会(二宮雅也会長)・経団連自然保護基金は5月23日、東京・大手町の経団連会館で「創設25周年記念式典」を開催し、協議会会員企業、基金への寄附者、NGO、報道関係者ら約200名が参加した。

当日は「25周年記念特別基金助成事業」支援プロジェクトの選考結果を発表するとともに、小林正明環境事務次官による祝辞、パスカ・パーマー国連生物多様性条約事務局長とインガー・アンダーセンIUCN(国際自然保護連合)事務局長からのビデオメッセージによる祝辞のほか、さかなクン東京海洋大学名誉博士と鈴木款静岡大学創造科学技術大学院特任教授による記念講演を行った。式典終了後は企業とNGO等との交流会を開催し、NGO18団体による活動概要のパネル展示等が行われた会場には、企業やNGO関係者など約200名が参加し交流した。概要は次のとおり。

■ 「開会あいさつ」
二宮会長

協議会は1992年に設立後、経済活動と自然保護分野との共栄を目指し活動してきた。会員企業をはじめ基金への寄附者の皆さま、NGOの方々の協力のもと、今年25周年を迎えた。基金を通じた自然保護プロジェクト支援は24年間の累計で1278件、金額で37億円を超えている。今後とも、協議会会員企業をはじめNGOや環境省とも連携していきたい。

小林環境事務次官

■ 「来賓あいさつ」
小林環境事務次官

経済界における生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取り組みについて、経団連の長年にわたるリーダーシップに敬意を表する。私たちの暮らしや事業活動は、生物多様性がもたらす自然の恵みによって支えられている。「自然共生社会」の実現に向け、共に歩みを進めていきたい。

■ 「ビデオメッセージ(1)」
パスカ・パーマー生物多様性条約(CBD)事務局長

2010年のCOP10で採択された「愛知目標」の達成年度である2020年に向け、一層の努力が求められる。経団連は2010年に関係団体とともに「生物多様性民間参画パートナーシップ」を立ち上げ、生物多様性に関する行動指針の普及や優れた活動例・実績の共有などに取り組んでいる。このことは、生物多様性条約による「ビジネスと生物多様性グローバルパートナーシップ」のなかでも最も活発なプログラムの1つで、経団連のリーダーシップを示すものである。

■ 「ビデオメッセージ(2)」
インガー・アンダーセンIUCN(国際自然保護連合)事務局長

革新と成長のエンジンである企業コミュニティーは、生物多様性保全と持続可能な開発に関する世界目標の達成を助ける中心的役割を果たす存在である。近年の重要な国際的合意である、国連持続可能な開発目標(SDGs)や気候変動に関するパリ協定、仙台防災枠組みのいずれにおいても、企業は解決策の一部を担わなければならないとされている。経団連自然保護協議会および基金の活動は、世界中の産業団体が見習うべきすばらしい模範であることを確信している。

■ 「25周年記念特別基金助成事業」支援プロジェクトの発表

経団連自然保護協議会および経団連自然保護基金は昨年11月、「25周年記念特別基金助成事業」の実施を公表し、その後、国内外のNGO等に対し公募を行った。最終的に27カ国から55件の応募があり、その選考結果を記念式典のなかで発表した(図表参照)。

協議会および基金は、今後3年間、当該プロジェクトの活動状況をフォローし、その成果や経験を生物多様性の主流化に資する新たな取り組みの促進につなげていく。

25周年記念特別基金助成事業の概要

■ 記念講演

さかなクン東京海洋大学名誉博士

さかなクン東京海洋大学名誉博士から、日本の魚の魅力について、五感(ギョ感=見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わう)で得た感動を、絵とボディーランゲージを用いて講演があった。式典前日に千葉県館山市で保護された幻のサメ「メガマウスザメ」について、実寸大の絵を描いて力の入った説明がなされた。

講演終了後、二宮会長から同氏に対し、経団連自然保護協議会生物多様性応援団長のミッション授与が行われた。

続いて、鈴木静岡大学創造科学技術大学院特任教授から「美しいサンゴ礁を取り戻そう=生物多様性のしくみを探る」をテーマとする講演があった。

鈴木特任教授は、「生物多様性を理解する学術分野は『新しい科学分野』であり、生物・生態・地質・材料・経済・倫理・保健衛生等、既存分野の融合・連携が必要である。生物多様性は、多くの生物と生物の遺骸である有機物・有機体の集合体であり、生きものたちの複雑でダイナミックな絡み合いの仕組みを『生態系システム』として理解することが必要である。生きものたちが協力しあい深い関係を保つことにより『生きる』場を共有していることが生物多様性の本質である」と述べた。

そのうえで、生物多様性保全への持続的貢献と推進には、研究者、NGO、企業、市民による協働のプラットフォームの強化が重要であると締めくくった。

【環境エネルギー本部】

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