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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年8月31日 No.3328 ジョージ・ワシントン大学エリオットスクールのブリゲッティ学長との懇談会を開催

説明するブリゲッティ学長

経団連は7月27日、東京・大手町の経団連会館で、元アフリカ連合代表部大使でジョージ・ワシントン大学エリオットスクールのルーベン・E・ブリゲッティ学長、ロリ・スワリーナ副学長補佐との懇談会を開催した。

同校は、米国ワシントンDCに立地し、国際関係分野において世界のトップ校の1つと評価され、アジア研究も盛んに行われているが、近年の日本からの留学生が他国に比べて圧倒的に少ないことから、日本人学生増加を目指した多様なプログラムの創設を検討している。

ブリゲッティ学長からの同校の概要説明の後、日本人学生増加に向けた課題等について、参加者との間で活発な意見交換が行われた。説明の概要は次のとおり。

◇◇◇

日米関係は世界でも最重要の二国間関係の1つである。これを一層強化するためには、政府間関係のみならず、経済界・学界・その他の分野の代表との関係も重要であるといえる。最近の太平洋地域の安全保障や経済の進展をみても、日米関係は重要性を増しており、本校はささやかながら、重要な役割を果たせると考える。また、国際関係分野での学位の取得は、各国の政治経済・歴史・国際状況などについての知識を世界各地で応用する能力を身につけることを意味し、さまざまな分野の民間企業で働くうえでも非常に価値がある。

■ エリオットスクールの概要

本校は、国際関係分野で世界ランク学部8位、修士7位となっており、米国における外交分野での教育機関として、最高クラスであるといえる。地域ごとに分かれた研究所がスクールの核を成し、特にアジア関係においては有力な研究所となっている。今年末までに、ラテンアメリカ地域の研究所が設立される予定であり、これにより地球上のすべての地域をカバーすることになり、他大学との差別化を図っている。

また本校は、ホワイトハウス・国務省・世界銀行等に近く、著名人を招いての学生交流会・政策議論が可能になるなど、国際政治経済などに通じた実務家を育てるためには、最高の立地といえる。

■ 日本人留学生増加のための課題と取り組み

本校では、中国人留学生が123人もいる一方、日本人留学生は5人にすぎない。日本人留学生が少ないことの一般的原因としては、高額の学費という財政的負担と、卒業時期がずれるため、日本での就職活動に間に合わないことへの懸念の2点が挙げられる。財政的負担については、短期・長期留学のための奨学金制度等を積極的に設けることで対応したい。また、就職活動に関する不安を解消するためには、日本企業が、留学経験者を積極的に採用する意欲をみせること、つまり、大企業で働くうえで国際経験が高く評価されるというメッセージを発信することが最重要である。経団連や各企業には、学生向けに強いメッセージを発信してほしい。

【国際経済本部】

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