1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2017年9月21日 No.3331
  5. ニュージーランド経済界との農業懇談会を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年9月21日 No.3331 ニュージーランド経済界との農業懇談会を開催 -農業政策や日ニュージーランド協力めぐり意見交換

経団連は9月4日、東京・大手町の経団連会館で、訪日したニュージーランドの経済団体 New Zealand International Business Forum (NZIBF、マルコム・ベイリー会長)の代表団と、農業活性化委員会(十倉雅和委員長、佐藤康博委員長)の委員企業との懇談会を開催した。

冒頭、経団連の髙橋勝俊農業活性化委員会企画部会長は、「農業は、経済連携協定の重要な交渉課題である一方、先端・成長産業へと飛躍する可能性を持つ。日本では農政改革に伴い企業の農業参入が増加しており、日ニュージーランド協力が一層進展すれば、農業ビジネスの成功と経済連携の加速に寄与する」と指摘。

続いてあいさつしたスティーブン・ペイトン駐日ニュージーランド大使は、「日ニュージーランド協力は、本当の意味での連携に進もうとしている。日本の農業セクターの変化に対応して、ニュージーランドも変化する必要がある」と述べた。また、ベイリーNZIBF会長は、「安倍政権の改革が農業分野で進展している。改革は困難だが、推進すれば農業セクターの競争力を高めることにつながる」と強調した。

懇談では、日本側出席者による農業政策や経団連の活動紹介に続き、日本に進出しているニュージーランド企業3社が事業を紹介。

安斉一朗ゼスプリ・インターナショナル・ジャパン社長は、ニュージーランド産キウイの輸出戦略を紹介。「ニュージーランド農家のキウイ輸出は、すべてゼスプリを通すという政策的な規制があり、産地間競争は起こらない」と指摘するとともに、トレーサビリティーの整備、大規模なマーケティング、日本国内での生産等の取り組みを説明した。

金城誠アンズコフーズ(ジャパン)社長は、北海道における羊肉生産の産業化に向けた「羊協力プロジェクト」構想を紹介。「日本の羊生産は零細化しているが、ニュージーランドの農業技術を活用して、生産性を向上できる」と強調した。

斎藤康博フォンテラジャパン社長は、「酪農協力プロジェクト」について説明。日本の生乳価格がニュージーランドの約3倍である一方、酪農家の平均労働時間がニュージーランドの約2倍であることを指摘し、放牧酪農を北海道に導入することによって、「後継者問題の解決、コスト構造の改善に貢献したい」と意気込みを示した。

さらに、グレイム・ハリソン・アンズコフーズ会長は、日本の農業の課題として、土地利用における競争の欠如、収入に占める補助金比率の高さなどを指摘。一方、今後の協力可能性として、日本とニュージーランド主導によるアジアでのネットワーク構築を提案した。

最後に髙橋部会長は、「TPPも契機として、ニュージーランドと一層連携し、日本農業のよいところを育てていきたい」と総括した。

【産業政策本部】

「2017年9月21日 No.3331」一覧はこちら