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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年2月22日 No.3351 提言「国民本位のマイナンバー制度への変革を求める」を公表 -同制度のさらなる活用に必要な施策を提示

経団連は2月20日、提言「国民本位のマイナンバー制度への変革を求める」を公表した。2016年1月に開始されたマイナンバー制度は、行政手続コストの削減による官民の生産性向上や、個人や世帯の実情に応じた行政サービスの展開を可能とする新たな社会基盤であるが、さまざまな制約により、その潜在能力が十分に発揮されていない。

昨年の規制改革推進会議(3月)とIT総合戦略本部(12月)において、安倍晋三首相は行政手続の簡素化・電子化に向けた指示を出している。提言では、2度の首相指示を貫徹し、デジタル社会を実現するうえで、マイナンバー制度が重要な役割を担うとの認識のもと、同制度のさらなる活用に必要な施策を取りまとめた。

■ 個人番号の利用範囲の拡大

マイナンバーの利用範囲は、税・社会保障・災害対策の3分野のうち、一部の行政事務に限定されているほか、利用範囲の拡大には法改正が伴う。社会の多様なニーズに迅速に対応する観点から、法律よりも下位の法規範で利用範囲を規定するとともに、具体的な利用策として、証券分野、戸籍事務、不動産登記、民間事業等を挙げている。

■ 特定個人情報に関する規制の見直し

マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」と定義され、収集や保管、提供等にあたり、通常の個人情報よりも強い規制が課されている。そこで、利用目的の柔軟な変更を認め、一度取得したマイナンバーを別の目的で利用しやすくすることや、本人同意を前提として、グループ企業の間で従業員や顧客のマイナンバーを共有できるよう求めた。

また、個人番号が流出しても行政機関の保有する個人情報が芋づる式に流出することはないこと、個人情報保護法の改正により、すべての事業者が個人情報に対する適切な安全管理措置を講じていること等を踏まえ、個人番号を特定個人情報から除外して個人情報と同等に位置づけるべきとした。

■ 個人番号カード・公的個人認証機能の普及・活用

市区町村において無償で交付を受けられるマイナンバーカードは、公的な身分証明書として通用するほか、搭載されている公的個人認証機能を活用することにより、電子的な本人確認の手段にもなる。カードの利便性をさらに高めるため、官民が発行する各種カードとの一体化、選挙・投票での本人確認、行政手続における実印・印鑑証明書の廃止、東京オリンピック・パラリンピックに代表される大規模イベントにおける活用等を求めた。

◇◇◇

このほか、(1)行政機関間の情報連携の基盤「情報提供ネットワークシステム」への接続対象の拡大 (2)国民と行政とのオンライン窓口「マイナポータル」における提供サービスのさらなる充実 (3)企業版マイナンバーとも呼ばれる「法人番号」の活用・拡充 (4)行政サービスの見える化 (5)国民理解の促進――という5つを加え、8つの具体的な事項を提言している。

【産業政策本部】

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