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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月1日 No.3352 東海地域経済懇談会を名古屋で開催 -「GDP600兆円経済に向けて邁進する年に」をテーマに

あいさつする榊原会長

経団連と中部経済連合会(中経連、豊田鐵郎会長)、東海商工会議所連合会(東海連、山本亜土会長)は2月22日、名古屋市内で「東海地域経済懇談会」を開催した。経団連から榊原定征会長をはじめ審議員会議長、副会長らが、中経連および東海連から豊田会長、山本会長をはじめ会員約230名が参加。「GDP600兆円経済に向けて邁進する年に」を基本テーマに懇談した。

懇談会前の昼食懇談会では、大西隆豊橋技術科学大学学長から、産学官連携や国際化など、大学改革に向けた同大学の取り組みについて説明を聞き、中経連および東海連首脳を交え意見交換を行った。

開会あいさつで東海連の山本会長は、中部圏では主力の自動車産業でも自動運転、コネクティッドカー化等、「百年に一度の大変革」が進んでいるとしたうえで、産業全体で新たな挑戦を加速する必要性を指摘。また、2027年予定のリニア開業を見据え、国内外から「楽しく、面白く、愛される街・地域」となるための具体策の検討・実行に取り組むことを表明した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、デフレ脱却、経済再生、GDP600兆円経済の実現に向けた重点課題として、成長戦略、構造改革(規制改革、社会保障制度改革)、経済外交の推進に関する取り組みを紹介。日本がSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて世界のフロントランナーを目指す意味でも、データ活用の推進、サイバーセキュリティの強化やオープンイノベーションを通じて、Society 5.0の社会実装に積極的に取り組むことを強調した。

経団連の古賀信行副会長は、地方創生の実現に向けて、各地域の特徴を数値により「見える化」して強みを伸ばすことや、各地域の先進事例を「横展開」し、それを参考に自らの地域の強みを活かした取り組みを行うことの重要性を訴えた。

<意見交換>

■ 活力ある地域づくり

「活力ある地域づくり」をテーマとする懇談では、中経連および東海連からの問題提起に対し、経団連から、(1)中部圏には、名古屋大学をはじめ日本を代表する教育・研究機関が集積している環境を最大限活用し、Society 5.0への先導役となってほしい(岩沙弘道審議員会議長)(2)日本の食文化は産業としても非常にポテンシャルがあり、海外に積極的に産品をPRしインバウンド需要を取り込むことで、さらなる消費拡大・地域経済の活性化を期待(十倉雅和副会長)(3)TPP11の早期署名と発効を実現するとともに、TPP11に関心を示している国々に参加を呼びかけることが重要(飯島彰己副会長)――と応じた。

■ 産業競争力の強化

「産業競争力の強化」をテーマとする懇談では、中経連および東海連からの問題提起に対し、(1)Society 5.0の実現に向けて、企業、大学や研究開発法人が連携してイノベーションを創出し続ける「イノベーション・エコシステム」の構築が重要(山西健一郎副会長)(2)初等・中等教育から競争力のある人材育成を行うことについて議論を深めるとともに、引き続き大学改革に取り組んでいきたい(中西宏明副会長)(3)経営側は賃金引き上げへの社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討を行ってほしい(岡本毅副会長)(4)東京オリンピック・パラリンピック等に向けたムーブメントを盛り上げ、そしてレガシーを将来に残すことを目指して、経済界を挙げてさまざまな取り組みを展開する(早川茂副会長)――との発言があった。

閉会あいさつでは、中経連の豊田会長が、各地域を強くすることが日本全体を強くすることにつながると強調したうえで、中経連では、中部圏の将来ビジョンづくり、イノベーション促進、人材育成の3つを重点テーマとして取り組んでいると紹介した。

飛島埠頭コンテナターミナルを視察する一行

翌23日、一行は豊田会長、山本会長とともに飛島埠頭コンテナターミナル(愛知県海部郡飛島村)を訪問。日本初の自働化コンテナターミナルとして05年に開業した同施設について説明を受けるとともに、ラバータイヤ式ガントリークレーン(RTG)を遠隔操作する作業等を視察した。

【総務本部】

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