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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年5月24日 No.3362 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は5月21日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

榊原会長は4年間の任期を振り返り、会長就任時、(1)日本だけが経済成長していない「失われた20年」であり、日本社会は将来展望が開けず閉塞感に覆われていた(2)財政再建や社会保障制度改革などの重要政策課題が山積していた(3)経団連の存在感が低下し、社会との信頼関係が揺らいでいた――と指摘。日本を建て直さなければ国際社会から置いていかれてしまうとの危機感から、火中の栗を拾うつもりで経団連会長に就任したと述べた。

その後、政府と連携し、デフレ脱却・経済再生はじめ重要政策課題に取り組み、成果も上がっていると述べた。例えば、「官民戦略プロジェクト10」を提言、経団連が提唱するSociety 5.0がその中核的プロジェクトに位置づけられ、官民挙げて成長戦略を推進する体制を構築したことに言及。構造改革に関しても積極的に提言し、社会保障制度改革や財政再建の重要性を政府と共有したこと、法人実効税率が引き下げられ国際競争力が高まったこと、働き方改革や女性の活躍も進展したことに触れた。また、企業が経済の好循環を回すトリガー役を果たすべく、5年連続でベアを含む賃上げを実現したことについて、社会的要請を踏まえ賃上げのモメンタムを維持・強化することも経済界の役割であり、大きな成果と指摘。官民挙げて成長戦略の推進と構造改革に取り組んだ結果、GDPは50兆円以上拡大したと述べた。

経済外交では、経団連が強く働きかけ、TPP11や日EU EPAが実現、米国に8回ものミッションを派遣しワシントンDCほか15州を訪問、日本企業が米国経済の発展に貢献している実態を説明。日米関係の経済面での緊密化と強靭化に貢献したと述べた。中国、韓国についても政治・外交関係が厳しいなか政治指導者に関係改善を継続的に働きかけ、両国との関係は良好であるとした。

そのうえで、デフレ脱却・経済再生はあと一歩、あと半歩であり、経団連はこれを最優先課題として取り組み、特にSociety 5.0の社会実装とともに財政再建、社会保障制度改革、経済外交も継続して推進するよう期待を示した。

働き方改革に関し、高度プロフェッショナル制度について、修正協議の結果、適用労働者が自らの意思で解除できる規定が盛り込まれるとともに、下請けの中小企業が過重労働にならないよう納期や発注の面で配慮することが大企業の努力義務として明記されたことを評価。関連法案の早期成立に期待を示した。

政治との関係については、日本再興に向けて政治と経済が一体で取り組まなければならないと考え、政治との連携強化を重要課題に位置づけたと指摘。政策実行には、政策立案・決定過程に参画し、提言し議論することが重要であるとの考えのもと、経済財政諮問会議や未来投資会議など政府会合に経済界代表として参加、安倍総理に直接提言を行ったと述べた。引き続き重要政策が決定される場に経済界代表として参加し、経済界の考えを積極的に提言・発信してほしいとの期待を示した。

【広報本部】

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