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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年6月14日 No.3365 B20タスクフォース合同会合をパリで開催 -B20ブエノスアイレス・サミットに向けた議論が加速

「デジタル経済・インダストリー4.0」タスクフォースにおける議論

リーマンショック後の世界経済危機に対処するため2008年11月に発足したG20は、主要先進国・新興国の首脳が参画する「国際経済協調の第一のフォーラム」として、グローバルな課題を検討する重要な場となっている。

経済界では、G20サミットにあわせて毎年、B20サミット(G20ビジネス・サミット)を開催し、経済界の意見を各国首脳に届けている。

■ 今年のB20アルゼンチンに向けて

今年11月30日から12月1日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるG20サミットに先立ち、B20サミットは10月4日から5日に同市で開催予定である。これに向けB20としての共同提言を策定すべく、5月28~29日にパリでタスクフォース合同会合等が開催された。

議長国のB20アルゼンチンや経団連等の各国経済界、OECD等の国際機関が参加し、8つのタスクフォース((1)雇用・教育 (2)成長に資するファイナンス・インフラ (3)持続可能な食料システム (4)貿易・投資 (5)デジタル経済・インダストリー4.0 (6)エネルギー・資源効率性・持続可能性 (7)中小企業発展 (8)高潔性・コンプライアンス)で活発な議論が展開された。

こうした議論を踏まえ、遅くても8月までに提言を取りまとめ、B20からG20議長のアルゼンチン政府に働きかけを行う予定である。

■ タスクフォースにおける主な論点(例)

【雇用・教育】
  1. (1) 開放的、ダイナミックで包摂的な労働市場の推進
  2. (2) 非公式部門(informal sector)を助長する諸条件への対応
  3. (3) 持続可能な成長に向けたスキル開発や生涯学習の強化
  4. (4) アントレプレナーシップとイノベーションの支援
【成長に資するファイナンス・インフラ】
  1. (1) 資産クラス(投資対象となる資産グループ)としてのインフラ整備推進
  2. (2) PPP(官民連携)がもたらすインパクトの強化
  3. (3) 住宅購買力格差の縮小
  4. (4) インフラ投資と経済成長に資する金融規制の環境整備
【貿易・投資】
  1. (1) 将来の多国間貿易システム
    1. 国有企業に関連した競争歪曲への対応
    2. デジタル貿易・電子商取引に対する新たなルール形成
    3. グローバル・バリューチェーンの発展とSMEs(中小企業)の包摂
  2. (2) 多国間投資政策
  3. (3) WTOの多国間貿易システムの改善
【デジタル経済・インダストリー4.0】
  1. (1) インダストリー4.0の発展と実装の促進
  2. (2) デジタル貿易と国際的データ流通の推進
  3. (3) 金融技術(フィンテック)におけるイノベーション支援
  4. (4) グローバルな連結性とインフラ整備の推進
  5. (5) サイバーセキュリティの強化
  6. (6) 零細・中小企業(MSMEs)のデジタル化支援、職場で必要なデジタルスキルの開発

■ 今後の予定

今年秋のG20/B20の後、議長国はわが国に引き継がれる。

経団連としては、来年6月28日から29日に大阪で開催されるG20サミットに先立ち、B20サミットを主催するとともに、B20としての意見を取りまとめ、G20の議論に反映させるべく働きかけていく。

【国際経済本部】

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