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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月22日 No.3386 「プラスチック資源循環戦略」策定に関する意見および取組事例集を公表 -海洋プラスチック問題の解決と資源循環の推進に向けて

国内外で海洋プラスチック問題への関心が高まっているなか、政府は、国境を越えた海洋プラスチック対策と国内のプラスチック資源循環の推進を図るため、来年6月に大阪で開催するG20サミットに向けて「プラスチック資源循環戦略」の検討を進めている。

これを受け、経団連は11月13日、「『プラスチック資源循環戦略』策定に関する意見」および「SDGsに資するプラスチック関連取組事例集」を取りまとめた。

■ 基本的な考え方

地球規模の海洋プラスチック問題やプラスチック資源循環に取り組むことは、SDGs(持続可能な開発目標)の複数ゴールの達成に貢献する。全地球的に求められることは、廃プラスチックが海洋に流出せず、また、極力埋め立てられることなく、廃棄物の適正処理と3R(リデュース、リユース、リサイクル)を徹底することである。熱・エネルギー回収も有用な選択肢として位置づけて推進すべきである。

プラスチック素材は、さまざまな社会的課題の解決に貢献している。SDGs目標12の「つくる責任・つかう責任」を念頭に、プラスチックを賢く、作り・使い・処理することが重要である。なお、海洋プラスチック問題と国内の資源循環は同一課題でなく、それぞれの政策目的に応じた冷静かつ適切な施策の検討が求められる。

■ 地球規模の海洋プラスチック問題の解決

まずは各国におけるプラスチックごみの適切な管理・処理と海洋流出の防止が急務である。わが国においては、ポイ捨てや不法投棄の撲滅に向けた対策を強化するとともに、優れた技術やノウハウ等を発展途上国等に技術移転することにより、世界のプラスチック対策をリードすべきである。

■ 国内における資源循環のさらなる推進

日本では、政府・自治体・事業者・消費者・NGO等の連携のもと、先進的な循環型社会が形成されてきており、わが国の廃プラスチック有効利用率は84%(2016年)と諸外国よりも高い水準にある(図表参照)。以下の諸施策等により、引き続き、資源循環を推進する必要がある。

廃プラスチックの有効利用率

第1は、経済界による自主的取り組みの継続・充実である。その一環として、経団連は今般、会員企業・団体等へのアンケートを基に、「SDGsに資するプラスチック関連取組事例集」を公表した。第2は、材料リサイクル、ケミカルリサイクルや熱・エネルギー回収の最適な活用等による、使用済みプラスチックの有効利用率の向上、第3は、環境配慮設計や各種リサイクル技術等の開発である。

第4に、レジ袋の有料化義務化について、政府等が、国民理解の醸成に努めるとともに、事業者間に不公平感がなく、消費者に混乱が生じないよう、全国一律の制度とすべきである。第5に、環境省がプラスチック資源循環戦略案で掲げた「マイルストーン」について、極めて野心的な内容であるものの、関係主体が連携協働する「目指すべき方向性」であることを踏まえ、経済界も引き続き可能な限り3Rに取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していく。

【環境エネルギー本部】

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