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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年12月6日 No.3388 中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は12月3日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

春季労使交渉について中西会長は、働き方改革を推進すべく長時間労働削減、同一労働同一賃金などさまざまな課題に取り組んできたことに言及。働くことの意味合いが大きく変わってきたなかで、Society 5.0の実現に向け、働く環境をどう整え、生産性向上のための処遇改善をどう図るかについて、労使間でしっかり議論していくことが重要との認識を示した。

また、日本経済の見通しが不透明ななか、企業には産業構造の変化に適応できるよう体質を変えていくことが求められていると指摘。働く人にとっても大きな変化であることから、これに適応し、やる気を出して働いてもらえる環境整備を進めていく必要があると述べた。さらに、物価、消費の底上げの観点から、政府が賃上げを成長戦略の一つの柱にしたいと考えるのは当然と理解を示したうえで、賃上げは政府の要請ではなく、労使の話し合いを通じて、従業員の処遇を改善するというのが基本スタンスだとの考えを示した。

教育改革をめぐっては、大学教育の問題は企業側にも責任があるとしたうえで、社会生活を送るにあたってのベースとなるリベラルアーツやデータサイエンスの基礎となる数学は在学中に最低限勉強してほしいと要望するとともに、大学と経済界が直接意見交換するチャネルの開設も提案していると述べた。

また、企業にとって最も重要な経営資源は人材であり、人材育成は一企業で完結できるものではないとして、大学や他の企業と連携しながら、キャリア形成の体験の場をつくることの重要性を指摘。経済社会が発展するためにどのような人材が求められるのか、具体的にどのようなスキルを持ってほしいのか、どのようなものの見方をしてほしいのか、経団連の考えを明示していくと述べた。

G20サミットについては、首脳宣言が取りまとめられ、バイではなく、マルチの場でも1つの文書ができたのは成果だとしたうえで、今後は従来とは違ったかたちで通商をめぐるルールづくりが進んでいくのではないかと指摘。米中の問題は、貿易摩擦だけでなく、両国によるグローバル市場での覇権争いといった戦略的な要素が絡んでおり、根が深いとしたうえで、日本はG20議長国として、自由貿易推進を前面に押し出して問題提起をし、貢献していく必要があるとの考えを示した。

【広報本部】

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