経団連の生活サービス委員会(石塚邦雄委員長、高原豪久委員長、澤田道隆委員長)は1月17日から18日にかけて、消費拡大へ向けた総合的な施策の検討の一環として、石塚委員長を団長とした視察団を宮城県石巻市・女川町・仙台市に派遣した。同地域では、災害に強い街づくりをコンセプトに、住宅地の整備にとどまらず、生活サービス産業の集積、国家戦略特区の活用による、中心市街地の再興等、消費拡大へも寄与する積極的な取り組みが進められている。視察団は、推進役を担う関係者と懇談し、現状や今後の取り組みを聞いた。
石巻市では、菅原秀幸副市長、佐藤茂宗副市長、石巻商工会議所の後藤宗徳副会頭と、中心市街地の活性化や、住民の暮らし再建に向けた住宅地整備、街づくりのコンセプト等をめぐり懇談。当地における産業の実情や、地方創生策を含め、産業の活性化に向けた取り組みについて理解を深めた。懇談後は、石巻市の街づくりの一部を手がける、クリエイティブタウン推進機構の案内により、生活サービス産業・住宅地の集積を進める街並みを視察した。
女川町では、女川駅前から広がる町中心部の商業施設(商店街、同施設は国の「まちなか再生計画」認定第1号)を視察。須田善明町長は、「人の流れを意識的に中心地へ集約し、人口減少下でも活力を維持・創出する仕組みが必要」と指摘し、街づくりを進めるにあたり、街並みに新たな付加価値をつくり出す取り組み、将来の人口減少まで見据えたうえでの街づくり計画策定の重要性を訴えた。
仙台市では、なかやま商店街振興組合から、同市中山地区における、地域課題の解決に向けた企業提案の進捗状況を聴取。企業や大学と地域社会が協働で取り組みを進めるにあたっては、地域住民が自立的に参画できる体制を構築することが重要との指摘があった。さらに、中心市街地の活性化を進める、仙台市中心部商店街活性化協議会の山崎浩之会長の案内により、仙台市中心の商店街を視察。国家戦略特区の「道路法の緩和」を活用した賑わいの創出策、地方都市におけるインバウンド対策等について、説明を受けるとともに懇談した。
【産業政策本部】