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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年1月31日 No.3394 ユニバーサル社会の実現に向けた経済界の貢献について聞く -生活サービス委員会ユニバーサル社会部会

経団連は12月20日、東京・大手町の経団連会館で生活サービス委員会ユニバーサル社会部会(河本宏子部会長)を開催し、実利用者研究機構の岡村正昭CEOならびにLIXILの星野亨マーケティングストラテジー統括部長から、ユニバーサル社会実現に向けて取り組むべき事項等について聞いた。概要は次のとおり。

■ 実利用者研究機構
「ユニバーサル社会の創り方~経済界と企業が具体的にできること!」

ユニバーサル社会を実現するためには、ユニバーサルな対応をするうえで必要な「智慧(ちえ)」、すなわち、正しい知識を学び、身につけなければならない。例えば、駅の改札について、「そもそもモノの特性によっては、利き手に関係なく使えるものがある」という利用者知識がないまま、少数派対応で左利き用の改札を設置しても経済効果にはつながりにくい。「仮想利用者」と「実利用者」のギャップを発見し、モノの特性を踏まえた正しい智慧を身につけることで、真の問題解決につながり、ユニバーサルデザインを利用した経済効果に結びつく。

経済界も、ユニバーサルデザインに関する専門能力がまだまだ不足している。日本を代表する企業のトップが率先してユニバーサルデザインをコーディネートできる人材の育成、教育に取り組んでほしい。

■ LIXIL
「LIXILのユニバーサルデザインに関する取り組み」

LIXILでは、子どもからお年寄りまでの一人ひとりが豊かで快適な住生活をおくるために「わかりやすい」「使いやすい」「安全が安心に」「愛着がわく」をユニバーサルデザイン方針として定め、トイレ、浴室、キッチンなどの製品開発にさまざまな視点からのアイデアを取り入れて提供している。これまでは共用品を中心とした使いやすさを追求していたが、ターゲットの幅を広げた製品開発を行っている。具体的には、車椅子に対応したキッチン「ウエルライフ」では、車椅子による移動を安定させるための工夫を施したほか、手をかざしただけで水が出る水栓を設置している。これは、車椅子利用者だけでなく、楽な体勢で家事ができるという点で、高齢者など多くの人にも好評である。

ユニバーサル社会の実現に向けては、「モノのユニバーサルデザイン」と同時に「心のユニバーサルデザイン」が必要であることから、当社は、義足アスリートによる義足体験授業や小学校への出前授業を実施している。子どもたちがユニバーサルデザインについて学び、行動に移すきっかけとなればと考えている。

世界に先駆けて高齢化が進む日本で、ユニバーサル社会の実現に向けてさらに取り組みを加速していきたい。

【産業政策本部】

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