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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月7日 No.3395 福岡市と福岡地域戦略推進協議会(FDC)からスタートアップ先進都市に向けた取り組みについて聞く -起業・中堅企業活性化委員会企画部会

経団連は1月10日、都内で起業・中堅企業活性化委員会企画部会(髙橋誠部会長)を開催し、福岡市の田中顕治東京事務所次長、福岡地域戦略推進協議会(FDC)の前田真事務局次長および内保徹平マネージャーから、福岡のスタートアップ先進都市に向けた取り組みについて説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ グローバル創業都市・福岡のスタートアップ支援施策(田中氏)

福岡市は、都市の成長と市民生活の質の向上とが相互に好循環を生み出すとの戦略のもと都市経営に取り組んでおり、そのなかで「創業」「スタートアップ」に特に力を入れている。高島宗一郎市長がかつてマイクロソフトやスターバックスなどのグローバル企業を生んだ米国シアトル市を訪問した際、人口の規模、政治経済の中心地から西側という立地、港があり自然が豊かであるなど、福岡市と共通点が多いことに気がつき、シアトルのような創業都市を目指すとの着想を得た。長期的には「支店経済からの脱却」を目指している。

スタートアップに関する取り組みを開始した当時は、スタートアップという言葉自体があまり認知されておらず、まずは市長主導で機運の醸成に取り組んだ。2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を発表し、東京を含めた全国的な注目を集めることに成功。翌13年には創業支援に意欲のある自治体を集めて「スタートアップ都市推進協議会」を設立した。そして14年、国家戦略特区に指定され、外国人起業家に向けた「スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)」の整備や法人減税を実施するとともに、創業支援施設「スタートアップカフェ」を開設した。17年には、市内の中心部にある小学校空き校舎をリノベーションして「Fukuoka Growth Next」を開設、現在170社以上のスタートアップが入居している。18年9月には、提携する海外スタートアップ拠点との間でビジネスマッチングを実施した。

今後は、海外を含めたビジネスマッチングの機会を一層増やすとともに、新しいサービスやテクノロジーの社会実装に向けた取り組みを強化していく。

■ FDCにおけるスタートアップ支援(前田氏、内保氏)

FDCは、福岡都市圏の「東アジアのビジネスハブ」実現を目指して、11年4月に設立したシンクタンク&ドゥタンクである。産学官民一体で同都市圏の成長戦略の策定から推進までを一貫して行い、FDCの取り組みは福岡市マスタープランにも位置づけられている。会員は大企業が中心だが、経済団体や大学、自治体も参画している。

FDCでは、MICE(研修、招待旅行、国際会議、展示会を意味する4つの英字の頭文字を合わせた言葉)を軸に、人材開発から街づくりまで相互に連携するさまざまな事業を推進している。その一環として、オープンイノベーション、事業開発、国際展開、海外企業誘致などを展開。事業化支援としては、ビジネスマッチング、実証実験、資金調達支援、アドバイザリーなどをFDC会員と連携し産学官民のプラットフォームを活かしながら実施している。

FDCでは引き続き会員のネットワークを活用して新たな事業のモデル形成、サービス化を推進していく。

【産業技術本部】

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