経団連は2月15日、東京・大手町の経団連会館で、消費者関連専門家会議(ACAP)、消費者庁との共催により「2019消費者志向経営トップセミナー」を開催した。宮腰光寛内閣府特命担当大臣による開会あいさつ(岡村和美消費者庁長官代読)の後、花王の松田知春常務執行役員による基調講演、第4回ACAP消費者志向活動表彰の表彰式が行われたほか、先進的な取り組みを進める企業や消費者団体等によるパネルディスカッションでは、「SDGs(持続可能な開発目標)と消費者志向経営」をテーマに、行政・事業者の取り組みや課題について活発な議論がなされた。開会あいさつと基調講演の概要は次のとおり。
■ 開会あいさつ
宮腰光寛内閣府特命担当大臣(岡村和美消費者庁長官代読)
「消費者志向自主宣言・フォローアップ活動」は開始から2年が経過し、現在99の事業者が参加している。今年度からは新たに「消費者志向経営優良事例表彰」を創設し、昨年11月には事業者の優れた取り組みに対して表彰を行った。消費者庁では、今後「サステナブル経営」という愛称を活用して、取り組みのさらなる普及に努めていく。企業経営者の皆さまは、積極的にリーダーシップを発揮し、消費者志向経営の取り組みの一層の推進を図っていただきたい。
■ 基調講演「“よきモノづくり”を通して、人と地球の未来に貢献。~花王の消費者志向経営」
松田知春花王常務執行役員
花王では、「よきモノづくり」という創業者精神のもと、清潔・美・健康に関するわかりやすくて使いやすい商品を提供し、人々の暮らしに貢献してきた。企業理念である「花王ウェイ」には、豊かな生活文化の実現と社会のサステナビリティーへの貢献を使命として定めている。2017年には「消費者志向自主宣言」を公表し、経営トップのコミットメントのもと、消費者・顧客の立場に立って、心をこめた“よきモノづくり”を行うこと等を宣言した。
当社は、消費者相談部門である「生活者コミュニケーションセンター」に寄せられる「声」を、社内全体に「花王エコーシステム」を通じて共有している。そして商品の品質課題の早期発見に活用し、商品の改良を繰り返すことで、長年にわたり多数のブランドを築き上げてきた。多様なお客さまに安心して使っていただける商品を提供すべく、接しやすさ(Accessibility)、 使いやすさ(Usability)、安全(Safety)を軸としたユニバーサル視点を重要視している。近年では、サステナブルな洗浄基剤の開発、海洋プラスチックゼロを目指した、地球にやさしい「RecyCreation」にも力を入れて取り組んでいる。
今後も消費者の声を活かし、事業活動を通じて社会のサステナビリティーに貢献し、皆さまに愛される商品づくりに向け邁進していきたい。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】