経団連の中西宏明会長は3月11日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。
中西会長は東日本大震災からの復興に関して、基本的な社会インフラは復旧したが、福島県をはじめ東北の経済・産業の復興は道半ばであると指摘。国土強靱化を通じた産業基盤の整備などさまざまな施策を講じて、国を挙げて復興に取り組むことが必要であり、そのなかで民間の果たす役割は大きいとした。また、復興への即効策はなく、地域にあった産業振興、地域づくりを地道に進めていくことが重要だと言及。これまでのような対症療法的な対策ではなく、強みを伸ばしていく施策が今後は必要になるとの考えを示した。
エネルギーをめぐる問題については、感情的な議論でなく、国や地球、人類の将来を含めもっと大きな捉え方をする必要があると指摘。すべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄い、国際競争力も維持できればよいが、そのハードルはかなり高いとして、100年先、200年先を見据えれば、原子力は必要であるとの認識を示した。そのうえで再生可能エネルギーの技術開発に失敗したらどうなるか、今後の電力をどうするかといったグランドデザインをめぐる議論を行い、多様なエネルギー源を確保できるようさまざまな手段を講じていくことが求められており、民間を含めて、国として投資や研究開発を促進するインセンティブを考えなければ、日本は立ち行かないと懸念を示した。
【広報本部】