経団連ヨーロッパ地域委員会の佐藤義雄委員長と越智仁委員長は3月22日、東京・大手町の経団連会館で、スロバキアのペテル・ジガ経済大臣と、スロバキアとわが国との経済関係の強化をめぐり懇談した。ジガ経済相の発言の概要は次のとおり。
スロバキアの経済状況は良好であり、昨年の実質GDP成長率は約4%、失業率もかつての14%から5%以下へと大幅に改善されている。大手の自動車メーカー4社が生産を行うなど、自動車および電機分野が産業の中心である。今後は車載用電池など電気自動車の分野でも世界をリードしたい。
日EU経済連携協定(EPA)の発効により、さまざまな障壁がなくなり、日本とスロバキアの貿易額が増加することを期待している。特に、スロバキアから日本への輸出を増加させたい。日本企業の進出も促進されるだろう。
投資開発庁を通じて外国企業の進出や事業展開を支援している。昨年、企業の投資を支援する新法を成立させた。ロボットの導入や自動化が進んでいるため、企業が製造設備や研究開発センターを設立または拡大するときに、新たに従業員を雇用しなくても、助成金や減税などのインセンティブが受けられるようにした。スロバキア経済省としては、スマート技術の分野への投資を促進している。
また、昨年、企業の研究開発投資を推進するため、追加投資(人件費、固定資産の減価償却費、原材料費、光熱費、通信費、デザインやグラフィックのソフトウエアなど)の100%を当期純利益からの控除の対象として、1000ユーロの研究開発投資に対して210ユーロ節税できるようにした。控除の対象は、今年は追加投資の150%、来年は200%に拡大する。
このほか、スロバキアの大学と自動車産業が連携したプログラムの実施、外国企業の専門家や技術者の滞在許可手続きにかかる日数の短縮などに取り組んでいる。
【国際経済本部】