経団連の日本コロンビア経済委員会(小林健委員長)は6月4日、コロンビアのボゴタで、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)と第10回日本コロンビア経済合同委員会を開催した。コロンビア側からロベルト・ベレスFNC総裁、ホセ・マヌエル・レストレポ商工観光相をはじめ約160名が出席、経団連側からは、小林委員長をはじめ約40名が出席した。
冒頭、小林委員長は、「日コロンビア租税条約の締結等、投資・事業環境整備の進展を歓迎する。両国の経済関係を一層強化するため、質の高い日コロンビアEPAを早期に実現することが重要である。さらにグローバルなバリューチェーンへのコロンビアの参画を推進するためには、広域の自由貿易圏であるCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)へ参加を検討すべきだ」と指摘した。
これに対し、コロンビア側共同議長のベレス総裁からは、「国際的な貿易戦争の時期だからこそ、両国は二国間貿易にとどまらない協力を必要としている。コロンビアには豊富な投資機会があり、この会議を契機に、日本企業との結びつきを一層強化して、知識や技術を取り込みたい」との期待が示された。
続いて、3つのテーマで議論を行った。第1セッション「日コロンビアEPA」では、現在交渉中のEPAを早期実現すべきとの点で一致したほか、双方からコロンビアのCPTPPへの参加に前向きな発言があった。第2セッション「投資機会とビジネス環境」では、交通インフラの整備を進める必要性と、日本企業による技術や資金面での協力可能性について指摘があった。第3セッション「新たな経済イニシアティブ」では、コロンビアが進めている文化・芸術などを通じた産業振興策であるオレンジ経済と経団連が推進するSociety 5.0について、両者の共通するねらいや課題などを議論した。
その後、合同委員会の議論を総括するかたちで共同声明が採択され、翌日、小林委員長とベレス総裁から、イバン・ドゥケ大統領に手交された。その際、ドゥケ大統領からは、日コロンビアEPAについて、「実際の投資拡大につながるようなバランスのとれたEPAにすることが必要。先進的な協定に仕上げて、早期に妥結したい」、また、CPTPPについて、「太平洋同盟のうちメキシコ、チリ、ペルーはAPECに加盟しているが、唯一コロンビアは非加盟のままである。コロンビアはまずAPECへの加盟を望んでおり、APECへの加盟が実現した後、CPTPPへの参加を考えたい」との発言があった。
【国際協力本部】