1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2019年9月12日 No.3422
  5. 第52回東北地方経済懇談会を仙台で開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年9月12日 No.3422 第52回東北地方経済懇談会を仙台で開催 -「『Society 5.0 for SDGs』と『わきたつ東北』で新たな時代を切り拓く」をテーマに

経団連と東北経済連合会(東経連、海輪誠会長)は9月4日、仙台市内で「第52回東北地方経済懇談会」を開催した。経団連から古賀信行審議員会議長はじめ副会長らが、東経連から海輪会長はじめ会員約230名が参加。「『Society 5.0 for SDGs』と『わきたつ東北』で新たな時代を切り拓く」を基本テーマに懇談した。

懇談会に先立ち、同日午前中には、同市のINTILAQ(インティラック)東北イノベーションセンターを訪問。佐々木大センター長、藤本章仙台市副市長から起業家支援の取り組みについて説明を受けた後、4名の社会起業家から取り組みを聞き意見交換した。

◇◇◇

懇談会の開会あいさつで東経連の海輪会長は、東日本大震災からの復興はもちろん、若者の還流・定着や、AI、IoTの導入等により地域課題を解決していくことが、Society 5.0、ひいてはSDGs(持続可能な開発目標)の達成に大いに貢献するとの認識を示した。そのうえで、来年、2020東京オリンピック・パラリンピックという全世界から日本が注目される年に東日本大震災から10年目の節目を迎えることから、「感謝・交流・明日へ」をコンセプトに、官民が一致団結して情報発信の準備を進めているとして、経団連への支援・協力を呼びかけた。

続いてあいさつした経団連の古賀審議員会議長は、地域経済の礎となる産業の再生がいまだ道半ばのなか、本格復興はむしろこれからが正念場との認識を示したうえで、経団連として引き続き復興に向けて全力で取り組むとした。また、日本経済を新しい安定のステージに発展させるためには「Society 5.0」を柱とする成長戦略の推進が重要だと指摘。その他の重要課題として、財政再建・社会保障制度改革、持続可能なエネルギー・環境政策の実現、民間経済外交の展開の3点に取り組むとした。

■ 復興の着実な推進と世界へのアピール

「復興の着実な推進と世界へのアピール」をテーマとする懇談では、産業の復興や風評の払拭、東京オリンピック・パラリンピック開催の機会をとらえた情報発信拠点事業「東北ハウス」に関する東経連からの発言に対し経団連から、(1)会員企業・団体に対する被災地産品の利用・販売や被災地への視察・観光促進の呼びかけを今後も継続して行う(山内隆司副会長)(2)東京オリンピック・パラリンピックに向けた機運の醸成、大会後のレガシーづくりのため、オールジャパンでの取り組みを加速している(早川茂副会長)(3)「わきたつ東北」の実現に向けたさまざまな取り組みはSDGsにつながる(渡邉光一郎副会長)(4)地域自らが変革を遂げてわが国経済の持続的な成長につなげるためには、地域の中核的な産業の育成はもちろん、その土台となる行政システムを地域が独自の経営を行える制度へと改革する必要がある(隅修三副会長)――との発言があった。

■ 少子高齢化・人口減少社会への対応

「少子高齢化・人口減少社会への対応」をテーマとする懇談では、地域への若者の還流・定着、地域におけるAI、IoTの導入に関する東経連からの問題提起に対し経団連から、(1)企業・地域が、その競争力を維持・強化していくためには、現下の非連続的な変革・環境変化をむしろチャンスととらえ、自ら変革を遂げていくことが重要(進藤孝生副会長)(2)デジタル技術によって少子高齢化や人口減少に伴う課題を解決する社会のモデルが、東北から生み出されていくことを大いに期待している(山西健一郎副会長)(3)AI、IoT等のデジタル技術の活用が企業の成長ならびにSociety 5.0実現に不可欠(篠原弘道副会長)(4)地域の産業発展・新産業創出に寄与する人材の育成・活用に向け、地域の大学と企業の連携が重要(岡本毅副会長)(5)本当の意味の働き方改革の実現には、社員の働きがい、企業の生産性・収益力の向上とともに、社会的な価値の実現を含めた社会実装化が重要(冨田哲郎副会長)(6)物流ニーズの高度化・複雑化に適切に対処していくためには、デジタル技術を活用した効率化が不可欠(杉森務副会長)――との発言があった。

INTILAQ東北イノベーションセンターを訪問

【総務本部】

「2019年9月12日 No.3422」一覧はこちら