経団連の飯島彰己日本ブラジル経済委員長は10月18日、東京・大手町の経団連会館でパラグアイのウゴ・アダルベルト・ベラスケス・モレノ副大統領と懇談した。
冒頭、飯島委員長は、「今年は日本とパラグアイの国交樹立100周年の記念すべき年である。パラグアイでは約1万人の日系人が生活しており、農業や経済分野でパラグアイの発展に大きく貢献している。両国が長年にわたって良好な関係を維持していることをうれしく思う」とあいさつ。続いて、今年8月に日本経済界の代表がパラグアイを訪問し、アントニオ・リバス外務大臣やリズ・クラマー商工大臣、パラグアイ工業連盟との懇談を行い、日メルコスールEPAの重要性についてあらためて認識を共有したことを説明した。そのうえで、今年7月にサンパウロで開かれたブラジル経済界との会議でも日メルコスールEPAの交渉開始を求める共同声明を発出したとして、日メルコスールEPAの交渉開始に向けメルコスール加盟国であるパラグアイ政府のリーダーシップに期待を示した。
これに対しベラスケス副大統領は、来年前半はパラグアイがメルコスールの議長国を務めるとして、日メルコスールEPAの実現に向けて尽力したいと応えた。そのうえで、「パラグアイはブラジルよりもコストが安いため、サプライチェーンの一部をブラジルからパラグアイに移すことにより、日本企業の競争力強化につながると思われる。多くの日本企業がパラグアイに進出できるように環境を整えたい」として、日本とのさらなる経済関係強化に意欲を示した。
ラウル・アルベルト・フロレンティン=アントラ在日パラグアイ大使館特命全権大使からは、「本日、メルコスール4カ国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)の駐日大使が鈴木馨祐外務副大臣を訪問し、日メルコスールEPAに関する意見交換を行った。双方の協力のもとで引き続き検討を進めたい」との発言があった。
【国際協力本部】