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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年11月21日 No.3432 「魅力的なビジネスメリットを有するアーカンソー州」 -ハチンソン・アーカンソー州知事一行との懇談会を開催

発言するハチンソン州知事

経団連のアメリカ委員会連携強化部会(吉川英一部会長)は11月8日、東京・大手町の経団連会館で、米国アーカンソー州のエイサ・ハチンソン州知事一行と懇談した。なお、経団連は2017年11月にハチンソン州知事が来日した際にも懇談しており、今回が二度目の懇談機会となる。概要は次のとおり。

■ アーカンソー州と日本の関係

30年以上前、当時アーカンソー州知事を務めていたビル・クリントン元大統領が、同州と日本との関係構築に注力した。その努力が実り、日本企業によるアーカンソー州への投資は大幅に増加した。現在、45社以上の日系企業が同州に進出しており、6000人以上の現地従業員を雇用しているが、現状に満足することなく、今後、日本からさらなる投資を呼び込みたいと考えている。

■ アーカンソー州における主要産業

アーカンソー州では農業が第一の主要産業であり、同州の経済を牽引している。そのため、農林水産業や食品加工業にとってビジネスチャンスが多い。また、製造業が米国に回帰する流れがある昨今、多くの製造業者が拠点を構えている。これは、同州が経験豊富な労働力を多く有し、電気代等の事業コストも他州と比較し廉価であること等が理由だと考えている。また、地理的にも、米国の中心に位置するアーカンソー州は、1日で米国内市場のおよそ40%(人口ベース)にアクセスすることが可能であり、企業にとって魅力的なメリットとなっている。なお、ミシシッピ川や州間高速道路システム等の物流ネットワークも構築されていることから、外国市場へのアクセスも良好である。

最近では、ハイテク分野の産業の発展が目覚ましく、州経済の新たな牽引役として期待している。近年、州内にあるすべての高校において、コンピューターサイエンスの授業を必修化しており、こうした世代に向けた新たな産業人材の育成に引き続き力を入れていきたい。

■ アーカンソー州の隠れた強み

アーカンソー州は、米国屈指の金融サービスを提供することができる州だと自負しているが、なかでもフィンテックについては隠れた強みを持っている。先般、フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズと組み、官民連携でフィンテック企業の成長を促進するアクセラレーター・プログラムを立ち上げた。世界各国から数百にも及ぶ企業が同プログラムに申し込み、審査の結果、10社が選定された。フィンテックの分野では、メンターや資金提供者となる大手企業が求められており、同プログラムを通じて、そうした大手企業とフィンテック企業との間でパートナーシップを組ませ、フィンテック産業の育成をより効率的に実現していきたいと考えている。

また、ヘルスケア分野においても、AI開発促進を目的に、ウォルマートと組みアクセラレーター・プログラムを開始した。現在までのところ、同プログラムに参加している日本企業はないため、今後積極的に参加を呼びかけていきたい。

日本はアーカンソー州にとってかけがえのないパートナーであり、今後もこの関係を一層強固なものにしたいと考えている。

【国際経済本部】

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