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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月5日 No.3434 「金融リテラシー向上を促す取り組み」 -幹事会で遠藤金融庁長官が講演

遠藤金融庁長官

経団連は11月19日、東京・大手町の経団連会館で開催した幹事会で、金融庁の遠藤俊英長官から、「金融リテラシー向上を促す取組みについて―インサイダーQ&A改訂を踏まえて」と題した講演を聞いた。概要は次のとおり。

◇◇◇

2019年のG20では、金融面における高齢化の進行に伴い生じる課題を、すべての人が正規の金融機関が提供する金融サービスを適切なコストのもとで有効にアクセス・利用できるようにする「金融包摂」との関連で議論した。成果文書である「G20福岡ポリシー・プライオリティ」をみると、長寿化に伴って各個人が金融リテラシーを高めていくことは重要な課題であると強調されている。一方、OECDによる各国の金融リテラシー調査結果をみると、わが国の金融リテラシー水準は相対的に低い水準となっている。一方、わが国の大企業の多くにおいては、ライフプランセミナー等を通じて、職員に対して金融知識を身に付ける機会を提供しているが、退職準備層向けに偏重しているのも現状。今後は若年層を対象にした資産形成セミナーなどを是非検討していただきたいし、金融庁も協力していきたい。

若年層を中心に、個人の資産形成に株取引等がより積極的に活用されるよう、金融庁では今年7月に「インサイダー取引規制に関するQ&A」を改訂し、これまでの過度に抑制的な姿勢を修正した。従前、株取引は社内規則等で厳しく管理され、問題のない取引まで控えられることがあった。今回の改訂で、問題のない取引として、例えば、(1)重要事実を知らない場合(2)重要事実公表後(3)ETF(上場投資信託)や投資信託(一部を除く)――の取引はインサイダー取引に該当しないことを明確にした。こうしたことを社内で周知するとともに、株取引に関する内規が投資対象や役職員の属性・階級を問わず一律に厳格な規制となっていないか確認してほしい。

各社における研修等は個人投資を活発化させるためには非常に有効なので、金融庁としても講師派遣や資料提供などで協力していく。

【総務本部】

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