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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月19日 No.3436 容器包装リサイクル法に関する懇談会を開催 -経産省から資源循環政策について聞く

経団連は12月3日、東京・大手町の経団連会館で「容器包装リサイクル法に関する懇談会」を開催し、経済産業省産業技術環境局資源循環経済課の横手広樹課長から、資源循環分野における国内外の政策動向や同省の今後の取り組みの方向性について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ 海洋プラスチックごみ問題とその対応策

近年、プラスチックごみの海洋流出が温暖化に続く地球規模の環境問題として注目されている。

政府としては、プラスチックごみの海への流出を抑えることを大前提としつつ、イノベーションを通じ世界的課題の解決に貢献していくことが重要と考えている。5月に取りまとめた「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」や「プラスチック資源循環戦略」では、産業界の自主的取り組みの促進や、新素材開発・普及の支援強化などに取り組むことを盛りこんでいる。

また、今年6月に日本が議長国となって開催したG20大阪サミットにおいて、2050年までに海洋ごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有され、G20が一致してこの問題に取り組むことが合意された。

■ 資源循環政策をめぐる動向

わが国においては、基本的枠組みとしての循環型社会形成推進基本法や、3R(リデュース、リユース、リサイクル)全般の取り組みを促進する資源有効利用促進法、さらには個別物品に対する各種リサイクル法の整備により、循環型社会の構築を目指した法整備を行ってきた。その結果、廃棄物の最終処分量は減少し、再生利用率や循環利用率が増加するなど、着実に成果を上げている。

一方、世界的には、新興国の経済成長により、資源の消費量の増加が予測されることから、資源効率性を高める必要性に迫られている。

欧州では、15年の循環経済パッケージや、プラスチック戦略、エコデザイン指令などの環境政策が打ち出されており、シングルユースプラスチックの使用禁止などの規制の整備が進められている。

■ 循環経済ビジョン

こうした状況を踏まえて経産省では、循環経済ビジョンを取りまとめているところである。循環経済とは、大量生産・大量消費の一方通行の線形経済ではなく、資源の効率的な利用により最大限の付加価値を生み出す経済政策としての資源循環を目指すものである。これまでは最終処分場の逼迫という社会問題に対応するため、規制的手法も活用し、排出抑制のための3Rを進めてきたが、同ビジョンでは、ESG投資(環境、社会、ガバナンス対応を踏まえた投資)やデジタル技術の進展を原動力に、資源効率性の向上と付加価値の創出を両立する姿を目指すこととしている。

◇◇◇

会合ではそのほか、容器包装の3R推進にかかる8団体(ガラスびん、PETボトル、紙製容器、プラスチック容器、スチール缶、アルミ缶、飲料用紙容器、段ボール)から成る3R推進団体連絡会から、「容器包装の3R推進のための自主行動計画2020・フォローアップ報告(18年度実績)」について説明を聞いた。

06年度からの累計での資源節減効果が約759万トンに達するなど着実に成果を上げており、引き続き20年目標の達成に向けて取り組んでいく旨説明があった。

【環境エネルギー本部】

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