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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月20日 No.3443 経団連自然保護協議会がガラパゴスへ視察ミッションを派遣 -世界に先行する「自然との共生・環境保全」の取り組みを視察

イスリエッタCDF理事長と視察ミッション一行

経団連自然保護協議会(二宮雅也会長)は毎年、経団連自然保護基金を通じて国内外のNGO等が行う自然保護・生物多様性保全プロジェクトに資金支援を行っている。同協議会では毎年度、これらの支援プロジェクトを選定したうえで、視察を行い、政府やNGO等と意見交換を行っている。

2019年度は、1月19日から26日にかけて、二宮会長を団長とするミッション(総勢13名)をエクアドルのガラパゴスに派遣し、チャールズ・ダーウィン財団(CDF)チャールズ・ダーウィン研究所、国立公園管理局、ガラパゴス特区行政審議会(CONSEJO)、ブチェリ・サンタ・クルス市長等と意見交換を行った。また、首都のキトでは、在エクアドル日本大使館の首藤祐司大使、JICAエクアドル事務所の石川剛生所長とも意見交換を行った。

今回のミッションでは、生物多様性保全や環境教育で世界に先行するガラパゴス(※)を訪問することで、(1)「保全」における「科学」の役割(2)「保全」と「開発」のバランス(3)環境教育・人材育成――といった課題について考えるきっかけとなった。

■ チャールズ・ダーウィン財団訪問

2018年に日本・エクアドル国交樹立100周年記念の一環でイスリエッタCDF理事長が来日した際、CDFが60周年を迎える19年度にガラパゴス視察の提案があった。CDFはベルギーに本部を置き、科学的調査と世界各地の自然保護に関する経験を活かして、エクアドル政府に対し、ガラパゴスでの生物多様性保全に関する提案・助言を行っている。CDFは財政的には100%個人や法人からの寄付で成り立っている。経団連自然保護協議会も1998年から支援を継続しており、最大支援先の一つとなっている。

国立公園管理局のコルドバ氏(右)と
二宮経団連自然保護協議会会長

イスリエッタ理事長は、「このたびのミッションを歓迎するとともに経団連自然保護基金の継続的な支援に感謝する。ガラパゴス独特の生態系を次世代に残す活動を参加者自ら確認してほしい」と述べた。

支援サイト訪問では、CDFのハインケ博士から、「外来種であるブラックベリーに成長を阻害され、固有種のスカレシア林が面積で従来の1%に減少している。スカレシア林の増加に向け、研究・保全活動・モニタリングを行っている」との説明があった。その後、視察団全員で、ブラックベリーを駆除した跡地にスカレシアの植樹を行った。

■ ガラパゴス特区行政審議会訪問

ガラパゴスの行政機関であるCONSEJOからは、「経済発展よりも環境保全が常に優先するとの方針のもと、さまざまな規制を行っている。ガラパゴスの環境保全には、住民の考え方、特に次世代を担う子どもへの教育が大事。ガラパゴスの自然のすばらしさを知らない子どもが多く、教育を通じて自然環境や歴史について理解させることが重要だ」との説明があった。

※1978年に世界初の世界自然遺産に登録された後、人口・観光客が急増し、環境汚染や外来生物移入など多くの問題が生じ、2007年に危機遺産リストに登録。環境教育を含めて対応策を実行し、10年に危機遺産リストから除外された。

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