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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月12日 No.3475 第67回北海道経済懇談会を開催 -「ポストコロナに向けた北海道のチャレンジ」を基本テーマに

経団連と北海道経済連合会(道経連、真弓明彦会長)は10月20日、札幌市内で「第67回北海道経済懇談会」を開催した。経団連からは古賀信行審議員会議長はじめ副会長らが、道経連からは真弓会長はじめ会員約100名が参加。「ポストコロナに向けた北海道のチャレンジ」を基本テーマに意見交換を行った。

懇談会に先立ち行った昼食懇談会では、北海道の鈴木直道知事から、北海道における新型コロナウイルス感染症への対応と経済活動の両立に向けた対応とともに、ウィズコロナ、ポストコロナに向けた取り組みなどを聴き、道経連首脳を交えて懇談した。

経済懇談会では、冒頭の開会あいさつで道経連の真弓会長が、新型コロナにより、道内経済を牽引してきた「観光」と「食」を中心に、幅広い業種でかつて経験したことのない大打撃を受けていると現状を説明。東京一極集中の是正に向けた動きもみられるなか、自然豊かで開放的な「恵まれた『疎』」を持つ北海道は、大いに貢献できる地域であると強調した。

これに対し経団連の古賀議長は、観光業や飲食業をはじめサービス業を中心に甚大な影響が生じているなか、喫緊の課題は、新型コロナの感染再拡大の防止を徹底しつつ、経済をしっかりと回すことであると指摘。同時に、ポストコロナの経済社会を見据え、強靱で持続可能な社会を構築する必要があるとの観点から、(1)Society 5.0の実現(2)脱炭素社会への挑戦(3)働き方改革と人材育成(4)地域経済の活性化――などに取り組むと意欲を示した。

■ テーマ1「『観光』と『食』を中心に『北海道』のブランド価値を高め、国内外の需要を取り込む」

テーマ1の懇談では、道経連からの問題提起に対し、経団連から、

  1. (1)ウィズコロナにおける観光振興にあたっては、安心・安全の確保はもちろんのこと、ワーケーションの推進等を通じた観光の新しい価値の創造が重要(冨田哲郎副会長)
  2. (2)インバウンドの本格的な回復は当面見通しにくいとの見方があるが、攻めの姿勢でポストコロナにおけるおもてなしのあり方を検討し、必要な準備を進めることが大切(片野坂真哉副会長)
  3. (3)農業においては、デジタル技術を活用した生産性の向上やeコマース等を活用した消費者への直接販売など販路の多様化に向けた取り組みが重要(篠原弘道副会長)

――との発言があった。

■ テーマ2「Society 5.0の実現~データ・デジタル技術の活用により、生産性の飛躍的向上、イノベーション・新産業の創出、地域課題の解決を目指す」

テーマ2の懇談では、道経連からの問題提起に対し、経団連から、

  1. (1)日本発のDX(デジタルトランスフォーメーション)として、多様な主体の協創により生活者価値を実現する「価値協創」型DXを提唱している(進藤孝生副会長)
  2. (2)物流においてもDXを推進し、人手不足など、かねてからの課題を解決するとともに、多様なニーズに応えながら新たな価値の創造を図っていくことが必要(杉森務副会長)
  3. (3)DXが進むなか、いかなる分野も宇宙との関係が深くなっており、衛星やロケット等の宇宙産業をきっかけに、宇宙利用を幅広い産業に拡大することが重要(早川茂副会長)
  4. (4)地域課題の解決に向けては、大企業や地域の中堅・中小企業、スタートアップ、大学、自治体等、産学官のさまざまな主体が連携し、オープンイノベーションの創出と新たな価値創造を進めることが重要(菰田正信副会長)
  5. (5)新型コロナを契機に、働き手の地方居住への関心が高まっており、東京圏から地方へと人の流れを創出するチャンスを迎えている(隅修三副会長)

――との発言があった。

■ テーマ3「多様な人材が力を発揮できる環境整備と北海道の未来を担う人材の育成・確保を推進する」

テーマ3の懇談では、道経連からの問題提起に対し、経団連から、

  1. (1)デジタル化を一気に進め、多様な暮らし方を実現することが重要。「密」ではない「疎」な北海道は、こうした社会づくりをリードする大きなポテンシャルを持つ(越智仁副会長)
  2. (2)地域活性化を担う人材の育成には、地域における多様な主体の連携により、価値協創エコシステムを確立することや、地方大学の機能強化を図ることが重要(渡邉光一郎副会長)

――との発言があった。

◇◇◇

ウポポイを視察

翌21日、一行は道経連の真弓会長らとともに、アイヌ文化の復興・発展の拠点として今年7月にオープンした民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪問。アイヌ民族文化財団の對馬一修副理事長から施設の概要について説明を受けた後、伝統芸能や国立アイヌ民族博物館の展示を鑑賞し、アイヌの歴史・文化について理解を深めた。

【総務本部】

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