1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2020年11月19日 No.3476
  5. 提言「。新成長戦略」を公表

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月19日 No.3476 提言「。新成長戦略」を公表 -サステイナブルな資本主義に向けた、2030年の日本の未来像とアクション

経団連(中西宏明会長)は11月17日、提言「。新成長戦略」を公表した。このタイトルには、これまでの成長戦略の路線にいったん終止符「。」を打ち、「新」しい戦略を示す意気込みが込められている。概要は次のとおり。

■ 取りまとめの背景

環境問題に対する世界的な関心の高まりに加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を契機として、「株主至上資本主義」のもとで進行していた格差が浮き彫りとなった。従来の資本主義が「大転換期」を迎えているという認識に立ち、新しい、サステイナブル(持続可能)な資本主義のかたちを追求しなければならない。

■ 「。新成長戦略」のポイント

サステイナブルな資本主義の神髄は、多様な主体が求める多様な価値の包摂と協創にあり、そのカギとなるのがデジタルトランスフォーメーション(DX)である。DXに人間の想像力・創造力をかけ合わせて価値創造を図るSociety 5.0こそ、まさにサステイナブルな資本主義を実現する道にほかならない。「。新成長戦略」では、2030年までに実現するSociety 5.0の姿を以下の5つの柱に沿って描き、その実現に向けたアクションを提示している。

第1は「DXを通じた新たな成長」である。行政のオンライン化、医療や教育分野でのデータ利活用の強力な推進、サプライチェーンの強靱化等が求められる。

第2は「働き方の変革」である。時間と空間にとらわれない柔軟な働き方の推進のほか、企業役員の女性比率を30年までに30%以上にするなど多様な人材の活躍推進等を挙げている。

第3は「地方創生」である。地方中小企業、農業・観光業、銀行、国公立大のDXと再編・統合等を通じた競争力強化や、これらを含む幅広い主体による価値協創エコシステムの確立等を掲げている。

第4は「国際経済秩序の再構築」である。自由貿易投資体制の堅持・拡大のほか、主体的かつ戦略的な経済安全保障の確保、グローバルな課題を解決するための連帯の形成が必要となる。

第5は「グリーン成長の実現」である。「2050年カーボンニュートラル」を目指して、脱炭素社会を目指したイノベーションの加速、競争力ある再生エネルギーへの重点的支援等を打ち出している。

■ 今後の展開

同提言を今後の活動指針として、関係委員会で個別政策の具体化に向けた検討とアクションを加速していく。あわせて、政府・与党への建議をはじめ、あらゆる機会をとらえて経団連の考え方を発信し、国民各層、多くの国や地域の理解と賛同を得て、共にサステイナブルな資本主義の確立に取り組んでいく。

【新経済社会創造タスクフォース】

「2020年11月19日 No.3476」一覧はこちら