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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年12月3日 No.3478 孔鉉佑駐日中国大使と懇談 -今後の中国の経済・外交政策等について聴く

説明する孔大使

経団連(中西宏明会長)は11月17日、中国委員会(進藤孝生委員長、佐藤康博委員長)を東京・大手町の経団連会館で開催し、孔鉉佑駐日中国大使から、中国の経済・外交政策や日中関係等について説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 双循環で各国企業に成長の機会を提供

10月末に開催された第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)において、第14次5カ年計画および2035年までの長期目標が審議、採択された。21年からの第14次5カ年計画期では、改革とイノベーションを基本的な原動力として質の高い発展を目指す。また、35年までに1人当たりGDPを中位の先進国水準に引き上げること等を目標に掲げている。

5中全会であらためて提言された双循環とは、巨大な内需の潜在力を活かし、国内市場と国際市場をよりよく結びつけることで持続可能な発展を実現することである。双循環により、大きな市場が創出されれば、成長の機会を世界各国に提供することにつながる。また、対外経済協力の重点戦略である一帯一路構想は、周辺国、国際社会にビジネスチャンスを提供し、関係国の産業育成に貢献するものであることから、双循環の考えとは矛盾せず、今後も進めていく。

■ 対米政策ではwin-winの関係発展を追求、日本には米中間でのバランスを期待

米中は、相互に裨益しながら、長く世界の平和と安定に貢献してきた。現在の米中関係は、国交樹立以来、最も困難な時期にあるが、情勢がいかに変化しても互いを尊重してwin-winの関係を発展させるという中国の方針は一貫しており、不変である。日本には米中間でバランスを取り、より建設的な役割を果たすことを期待する。

日中間で協力の可能性がある分野として、(1)少子高齢化や環境問題(2)イノベーション、とりわけビッグデータやIoT(3)第三国市場協力(4)日本企業による中国地方都市の市場開拓――等が挙げられる。

日中両国は多国間主義を堅持し、アジアの地域協力を積極的に推進すべきであり、日中を含む15カ国が、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名したことは、アジア全体の協力を新たなレベルに押し上げるうえでも重要な意味がある。今後のRCEPの成否は、日本と中国の意志次第であろう。中国としてはRCEP協定に基づき、一層の市場開放を行っていく。

【国際協力本部】

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