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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年12月17日 No.3480 「米国大統領選挙の結果と今後の日米関係」 -経団連昼食講演会シリーズ<第42回>/双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦氏が講演

経団連事業サービス(中西宏明会長)は11月20日、東京・大手町の経団連会館で第42回昼食講演会をオンラインで開催し、双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦氏から講演を聴いた。概要は次のとおり。

■ 選挙結果

米国大統領選挙は、共和党のトランプ氏がいまだ敗北を認めていないものの、民主党のバイデン氏の勝利が確実となった。獲得選挙人数は、バイデン氏の306に対し、トランプ氏が232と大差がついた。しかし、得票数ではバイデン氏がトランプ氏より3.6%多いだけで、トランプ氏の善戦だったとの見方もできる。善戦の理由の1つとして、投票所の出口調査によれば、新型コロナウイルス対策よりも景気・経済・雇用対策を重視する有権者が多く、そのような人々はバイデン氏よりトランプ氏を支持したことが挙げられる。また、大統領選は民主党の勝利となったが、上院選では共和党多数という結果になり、下院選でも共和党が議席を増やした。以上を考慮すると、「トランプ劇場」はまだ終わらないといえるかもしれない。

■ バイデン氏の経歴・人柄とバイデン政権の課題

バイデン氏は、1973年の初当選から連続7期上院議員を務め、外交委員長や司法委員長を歴任した後、オバマ政権で8年間副大統領の職に就くなど、輝かしい経歴の持ち主である。タイプとしては日本でいうところの「国対族」であり、専門家の意見をよく聴き、人間関係を武器とする政治家である。上下両院とも民主党優位ではないなか、政権運営においてバイデン氏の経験や持ち味が活きてくることを期待したい。

バイデン政権が掲げる政策の優先分野は、(1)新型コロナ対策(2)経済再生(3)人種問題(4)気候変動――である。とりわけ(1)については、トランプ政権で行われてきたワクチン開発などにおける官民協力が円滑に引き継がれるよう望みたい。

■ 米国の対中政策

米国内で、中国との関係が「好ましい」と考える人々と「好ましくない」と考える人々は2017年には拮抗していたが、20年は前者が3割、後者は7割となり、中国に対する厳しい見方が増えている。バイデン政権になっても、トランプ政権がとってきた中国への強硬姿勢は続くと考えられるが、主なテーマは、新型コロナへの説明責任や米中貿易不均衡、香港情勢、台湾の位置付け、人権、信仰の自由などに移ってくると思われる。

■ 今後の日米両国政府の関係

日本国民は概して民主党支持だといわれるが、戦後の政権を担う期間の長かった自民党は共和党を支持してきた。その理由は、自民党と共和党はどちらも保守政党であり、自由貿易を信奉し、理念より利益を重視するなどの共通点があるからではないか。利益重視の自民党政権ならば、バイデン民主党政権に代わっても素早く対応できるに違いない。

【経団連事業サービス】

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