1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2021年1月1日 No.3481
  5. 地方自治体と連携した事業におけるインパクト評価

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年1月1日 No.3481 地方自治体と連携した事業におけるインパクト評価 -企業行動・SDGs委員会企業行動憲章タスクフォース

経団連は12月1日、東京・大手町の経団連会館で企業行動・SDGs委員会企業行動憲章タスクフォース(関正雄座長)を開催した。

同タスクフォースでは、SDGs(持続可能な開発目標)に資する各社の取り組みの評価事例について類型別にヒアリングを行うとともに、有識者と意見交換し、課題や改善策を取りまとめた報告書を作成予定である。

当日は、法政大学デザイン工学部建築学科の川久保俊准教授から、ローカルSDGs指標を活用した地方自治体レベルでのSDGsへの取り組みのフォローアップとレビュー実施の意義・課題について説明を聴いた。また、地方自治体と企業が連携して実施している事業のインパクト評価について、神奈川県のFujisawa SSTと、浜松市と連携した第一生命保険の社会実証事業の取り組みをヒアリングし意見交換を行った。川久保氏の説明の概要は次のとおり。

■ ローカル指標の整備の重要性

地方自治体と連携して事業に取り組む場合は、指標を活用し、自治体の実態や取り組み状況を「見える化」する必要があるが、前提として、目的に合致した適切な指標を採用することが重要である。

SDGsのグローバル指標は232あるが、グローバル指標をそのまま活用するのは難しく、日本の自治体レベルで活用可能なものは全体の5%程度(10指標程度)である。国内事情に適さないものや自治体レベルでデータが収集できないものを、日本の自治体の固有の条件を踏まえて適用可能な指標に落とし込む作業(ローカライズ)が求められる。ローカライズにより利用可能になる指標は、全体の50%程度に増える。

2019年8月に自治体SDGs推進評価・調査検討会が公表した「地方創生SDGsローカル指標リスト」は、全国の自治体が共通して関心のある課題に関して、日本独自の指標30を追加して約200の「共通指標」というかたちでリスト化し、そのデータソースをあわせて提示している。共通指標に対して、それぞれの自治体の特徴・魅力の発信や独自に掲げる目標を評価するための「独自指標」は、それぞれの自治体が独自に整備する必要があるが、これらの指標を活用することで、自治体における取り組みを検証・評価することができる。

◇◇◇

意見交換では、「企業と地方自治体の連携事業を、企業目線ではどのように評価すべきか」との質問に対して川久保氏から、「指標を用いながら、自治体と企業それぞれの努力ポイントを整理する必要がある。それまでに実施した取り組みの評価(フロー)とその取り組みの蓄積として実現している現在の自治体の状態の評価(ストック)を区分し、どの部分にコミットしているかを明確にすることが重要である」との回答があった。

【SDGs本部】

「2021年1月1日 No.3481」一覧はこちら