(1)標準者賃金
学校卒業後直ちに入社し、標準的に勤続している者である標準者の賃金を学歴別にみると、ほとんどの学歴で、年齢・勤続年数が上がるにつれて金額も増加し、55歳でピークを迎えた後、役職定年などの影響によって、横ばいまたは減少する傾向に変化はない。
年齢ポイント間の変動額をみると、大学卒総合職(管理・事務・技術労働者)では、役職登用・昇進時期にあたる35~40歳や40~45歳で増加額が高くなっている。また、すべての学歴において、25~30歳で増加額がアップする傾向がみられる。若年層の賃金を重点的に引き上げていることが推測される。
(2)産業別平均賃金
産業別に所定労働時間内賃金をみると、全産業平均は39万2708円だった。製造業平均は38万1073円、非製造業平均は41万3521円で、非製造業平均が全産業平均を上回っている。
製造業・非製造業別に所定労働時間外賃金をみると、コロナ禍による需要減少などを背景に製造業平均(3万8521円、前年比マイナス1万6839円)、非製造業平均(4万6064円、同マイナス8990円)ともに前年を大きく下回っている。
(3)役職者賃金
役職別に実際に支払われた所定労働時間内賃金をみると、部長(兼取締役)が104万785円(前年比マイナス1万8585円)、部長が70万7047円(同プラス1294円)、部次長が61万463円(同プラス1888円)、課長が54万1370円(同プラス2833円)、係長が41万3797円(同プラス7186円)だった。部長(兼取締役)以外の役職は前年を上回っている。
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同調査は、従業員の月例賃金の実態と動向を把握し、今後の参考とするために1953年から毎年実施している。2020年調査は、経団連の企業会員および東京経営者協会の会員企業のうち、361社(従業員500人以上規模75.9%)から回答を得た(有効回答率17.9%)。
【労働政策本部】