経団連は1月29日と2月15日の両日、企業行動・SDGs委員会企業行動憲章タスクフォース(関正雄座長)をオンラインで開催した。1月29日は、Sustainable Development Solution Network(SDSN)、2月15日は経済協力開発機構(OECD)から、各組織が分析・公表しているSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた国別の進捗評価についてそれぞれ説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ SDSN
SDSNは、ドイツのベルテルスマン財団と共同で各国のSDGs達成状況を分析した“The Sustainable Development Report”を作成している。そのなかでも各国のSDGs達成度をランク付けする“SDG Index”は、世界で広く引用されている。最新の2020年レポートでは、日本は前年より2つ順位を落とし17位という結果だった。特にゴール13(気候変動)とゴール15(陸の生物多様性)において評価が低かった。
■ OECD
OECDは、「OECD Measuring Distance to SDGs」を公表しており、OECD加盟国のSDGs達成状況を分析し、目標達成のためにさらなる努力を要する分野を特定している。19年度の報告書では、日本はSDGsの169のターゲットのうち15を達成しており、そのほかの多くのターゲットに関しても達成まであと一歩という評価だった。
両会合では、進捗を評価するうえで用いた統計データの取り扱い、進捗を可視化するための方法論について説明があり、日本の進捗状況や課題等について意見交換した。
◇◇◇
同タスクフォースでは、企業のSDGsに資する取り組みの効果測定や評価事例についてヒアリングを行うとともに有識者と意見交換し、課題や改善策を取りまとめて、企業の実践に役立つ報告書を作成予定である。また、SDGs達成に向けて、国としての進捗評価が重要であることから、ヒアリングした内容も踏まえ、国としての指標の設定、評価手法や情報開示のあり方についての提言を報告書に含める予定である。
【SDGs本部】