経団連の労働法規委員会労働法企画部会(中畑英信部会長)は6月17日、厚生労働省に対し、官公庁取引における長時間労働につながる商慣行改善について、前回2019年3月に引き続き(19年4月4日号既報)、再要請した。前回は、経団連が会員企業を対象に実施した調査結果により、官公庁との取引において長時間労働につながる商慣行が存在することが明らかとなったことを踏まえたもの。20年に再度調査したところ、改善が進んだ企業は約3割にとどまったことから、再び要請することとした。
中畑部会長が同省の吉永和生労働基準局長に要請文を手交。中畑部会長は、「17年から政府が推進してきた働き方改革を高く評価している。このモメンタムを維持するため、長時間労働につながる商慣行の改善は不可欠である。民間同士も引き続き取り組んでいくが、政府においても要請内容を踏まえた対応をお願いしたい」と要望。吉永労働基準局長は「今回の再要請を各省庁の担当部局を通じて現場レベルまで共有してもらうことで、商慣行の改善に努めたい。理解だけでなく行動につなげていきたい」と応えた。
要請文には、(1)取引全般(2)契約成立前(3)契約締結・履行時――における改善策を記載。具体例として、会議資料のペーパレス化や、時間外労働で対応せざるを得ない依頼の削減、実労働日数を考慮した期間の設定、具体的な仕様書・要件定義書の作成などを求めた。
【労働法制本部】