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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年7月22日 No.3508 最新の交通・物流政策等 -ロジスティクス委員会

経団連は7月6日、ロジスティクス委員会(内藤忠顕委員長、池田潤一郎委員長)をオンラインで開催し、国土交通省の寺田吉道公共交通・物流政策審議官から、今年度閣議決定した「第2次交通政策基本計画」と「総合物流施策大綱(2021~25年度)」のポイント等について聴いた。概要は次のとおり。

■ 第2次交通政策基本計画

地域公共交通の経営悪化や、物流における深刻な労働力不足、地球温暖化対策の遅れ、さらには新型コロナウイルス感染症による旅客輸送需要の大幅な減少など、交通はさまざまな危機に直面している。

新たな交通政策基本計画では、これらの危機を乗り越えるため、多様な主体による連携・協働のもと、あらゆる施策を総動員して取り組むこととしており、3つの基本的方針を掲げ、その実現に向けた政策を整理した。

具体的には、

  1. (1)誰もがより快適で容易に移動できる、生活に不可欠な交通の維持・確保(地域公共交通の持続可能性の確保、MaaSやさらなるバリアフリー化推進、小型電動モビリティなど多様なモビリティの普及等)
  2. (2)わが国の経済成長を支える、高機能で生産性の高い交通ネットワーク・システムへの強化(自動運転車の早期実用化、自動運航船・ドローン・空飛ぶクルマ等の実証、基幹的な高速交通網の形成等)
  3. (3)災害や疫病、事故など異常時にこそ、安全・安心が徹底的に確保された、持続可能でグリーンな交通の実現(防災・減災対策の徹底、働き方改革の推進、脱炭素化の加速等)

――である。今後、具体的な施策を進めていきたい。

■ 総合物流施策大綱(21~25年度)

物流を取り巻く環境は、担い手の不足、災害の激甚化・頻発化等の変化に加え、新型コロナの感染拡大によるEC市場の急成長や非接触・非対面による新しい生活様式の定着等、新たな変化に直面している。

6月に閣議決定した総合物流施策大綱(21~25年度)では、こうした現状は、物流のデジタル化や構造改革を進める好機になり得るとして、3つの目指すべき方向性を掲げ、その実現に向けた施策を整理した。

具体的には、

  1. (1)物流DX(デジタル・トランスフォーメーション)や物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(物流施設における自動化・機械化、パレット等の標準化の推進、物流・商流データ基盤の構築等)
  2. (2)労働力不足対策と構造改革の推進(働き方改革の推進、貨客混載等による労働生産性の改善、物流の現状に関する広報活動の強化等)
  3. (3)強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(自動運転・隊列走行を見据えた道路整備、各輸送モード等の低炭素化・脱炭素化の促進等)

――である。今後、大綱に基づき施策を推進していく。大綱を受けて、物流を構成する各種要素の標準化の実現に向けて官民による会議体を先月早速設置・開催した。

物流におけるさまざまな課題の解決には、荷主企業を含め、幅広い関係者の協力が不可欠であり、今後も物流施策へのご理解・ご協力をお願いしたい。

【産業政策本部】

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