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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年7月22日 No.3508 OECD諮問委員会2021年度総会を開催

ジョンストン氏

経団連のOECD諮問委員会(稲垣精二委員長)は7月7日、2021年度総会をオンラインで開催した。2020年度事業報告・決算および2021年度事業計画・予算に関する報告に先立ち、OECD(経済協力開発機構)の公式諮問機関であるBIAC(Business at OECD)のチャールズ・ジョンストン新会長から、OECDに対する期待や優先課題について聴くとともに意見交換した。ジョンストン会長のあいさつ要旨は次のとおり。

OECD加盟国の経済団体で構成されるBIACは、あらゆる規模と業種の企業700万社以上の代表として意見を取りまとめ、OECDならびに加盟国政府に対して提言を行っている。

設立60周年を迎えたOECDは、事実に基づく助言やベストプラクティスの共有に加え、レベル・プレイング・フィールド(公平な競争条件)の実現に向けた国際的な基準の策定を行っており、コロナ禍からの成長と繁栄を達成するための国際協調の推進という重要な役割を担う。

OECDに対する期待として、BIACは、(1)開かれた市場の重要性の発信(2)OECDとしてのコア・マンデートへの注力(3)OECD非加盟国を含めた国際的な影響力の強化(4)将来的な危機に対する予見性や即応体制の整備(5)エビデンスに基づく効果的な発信の強化(6)公的な諮問機関との連携――を掲げている。これらを実現するとともに、コロナ禍からのより良い回復にビジネスの経験を活かしていくためにも、各国経済界が団結してOECDに働きかけていく必要がある。

また、6月に元豪州財務大臣のマティアス・コーマン氏がアジア太平洋地域出身として初めてOECD事務総長に就任した。新興国の経済成長に伴い経済の重心がアジア太平洋地域へシフトしつつあるなか、コーマン氏は同地域でのOECDの活動強化を優先課題として掲げている。この点、OECD第2位の拠出国でもある日本の企業は、戦略的に重要な存在である。チャレンジ・ゼロやSociety 5.0など経団連が掲げる優先課題はOECDの成長戦略とも重なる。そのことも踏まえ、日本経済界との連携を強化していきたい。

BIACでは、過去1年間で181の政策提言をOECDに提出するとともに、延べ1000人を超える企業関係者がOECDの会議に参加した。一連の活動の中核を担う分野別のBIACポリシーグループは約28に及び、(1)OECDの会合や最新動向(2)アドボカシーの機会(3)各国経済界とのネットワーク(4)各種データやエビデンス――などにアクセスできる。BIACポリシーグループ活動への日本企業からの積極的な参加を望んでいる。

【国際経済本部】

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