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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年9月2日 No.3512 香港情勢に関する懇談会を開催 -香港特別行政区政府関係者に聴く

経団連は7月27日、香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部の何珏珊(ジョイス・ホー)首席代表、香港投資推進局のジミー・チャン局長代理、香港貿易発展局のベンジャミン・ヤウ日本首席代表から、香港の政治・経済の最新情勢等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 香港の最新情勢と商機(ホー氏)

社会不安、地政学的緊張、新型コロナウイルスの感染拡大等により、日本が香港の現状を懸念していることは理解している。ただ、2020年6月に施行された国家安全維持法によって社会秩序とビジネス上の信用は回復している。香港の感染状況は制御されていることを踏まえ、非香港居住者の渡航制限と隔離要件の段階的な緩和措置を近日中に発表する予定である。

香港は「一国二制度」のもとにある中国唯一の国際都市である。開かれた法治主義が確立された国際金融センターであり、低率でシンプルな税制、手厚い知財保護等の優位性を有している。世界経済と中国本土をつなぐゲートウエーとしての香港の重要性は薄れていない。「広東・香港・マカオ大湾区(GBA)」の発展でもたらされる大規模な経済力により、香港は中国本土へのゲートウエーとして、CEPA(中国本土・香港経済貿易緊密化協定)等を通じて、引き続き、日本企業と中国本土をつなぐ役割を果たすだろう。日本企業には、中国本土市場でのビジネス機会を活用するにあたり、香港の利点を享受しながら、香港企業との提携、あるいは香港での企業の設立を奨励する。

■ 香港における日系企業の商機(チャン氏)

ジェトロ香港などが実施した調査によれば、在香港日系企業は日本以外の外資企業と比較して、国家安全維持法をより強く懸念している。国家安全維持法は国家の治安にかかわる法律であり、外資企業が通常の事業を行う場合、直接的な影響はないことを強調したい。

香港は今でも対内直接投資の重要な拠点である。香港から、中国本土企業が世界に羽ばたき、海外企業が中国での事業を拡大していく。香港には、金融、交通、運輸、法務、IT、芸術・文化などで、多くのビジネス機会がある。また、人口8600万人、GDP1.6兆米ドルを誇るGBAにおいて、香港は、地域統括拠点、研究開発、資金調達等の機能を提供できる。香港投資推進局も新たな専門部署を立ち上げ、計画・準備から設立・事業拡大に至るまで、GBAでのビジネスを支援していく。

■ 香港・日本間の経済貿易交流(ヤウ氏)

香港は、人口規模は小さいながら、日本産農林水産物・食品の世界最大の輸出先となっている。また、香港は、中国、GBA、東南アジアへのゲートウエーでもある。日本企業は、各市場を熟知し、多言語を扱う香港企業を仲介役として活用することができる。

イノベーション、スタートアップ、ヘルスケアなどは、日本企業と香港企業が相互に補完できる可能性を秘める分野であり、香港貿易発展局としてもサポートしていきたい。新型コロナの影響でオフラインでの展示会の開催が困難ななか、香港貿易発展局はオンラインのマーケットプレイスを通年ベースで開設するなど、ビジネスマッチングを進めている。こうした機会をぜひ活用してほしい。

【国際協力本部】

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