経団連(十倉雅和会長)の國分文也審議員会副議長・日本ロシア経済委員長は9月3日、ロシア・ウラジオストクと東京の会場をオンラインでつなぎ開催された「東方経済フォーラム日露ビジネスセッション」に参加した。ドヴラトフ・アルチョムロシア開発対外経済銀行(VEB・RF)副会長、松尾剛彦経済産業省通商政策局長のほか、東京会場(約30名)、ウラジオストク会場(約50名)、オンライン参加(約270名)の合計約350名が出席した。
開会にあたり、梶山弘志経済産業大臣兼ロシア経済分野協力担当大臣ならびにレシェトニコフ・マクシム経済発展大臣からビデオメッセージが寄せられた。続いて、「21世紀のフロンティアとしての北極圏開発」「ロシア極東の魅力ある都市環境と豊かな生活を実現するための協力」「グリーン・気候変動分野での協力」の3つのテーマを中心に、日露双方の経済界代表者が報告した。
國分委員長からは、経団連が9月2日に公表したアンケート(注1)を基に、日本の経済界において、インフラの改善や規制改革の進展を評価する声がある一方で、依然として「法的安定性や予見可能性に不安がある」との意見もあることを紹介した。そのうえで、こうした日本経済界の声に耳を傾けるよう求めるとともに、多くの日本企業が「8項目の協力プラン」(注2)を高く評価していることを踏まえ、極東における日露協力を推進するうえで同プランへの両国政府の継続的かつ強固なコミットメントを期待すると述べた。
さらに、國分委員長は、ロシア極東ビジネスの有望分野として、物流、農林水産、医療における日露協力の可能性について報告した。
(注1)「ロシアのビジネス環境等に関するアンケート(2021年度)結果」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/071.html
(注2)2016年5月のソチにおける日露首脳会談で、安倍晋三首相がウラジーミル・プーチン大統領に提示した日露間の経済協力プラン(①健康寿命の伸長②快適・清潔で住みやすく、活動しやすい都市づくり③中小企業交流・協力の抜本的拡大④エネルギー⑤ロシアの産業多様化・生産性向上⑥極東の産業振興・輸出基地化⑦先端技術協力⑧人的交流の抜本的拡大)
【国際経済本部】