経団連は9月30日、10月1日の両日、東京・大手町の経団連会館で「夏季フォーラム2021」(議長=隅修三副会長)を開催した。十倉雅和会長、古賀信行審議員会議長をはじめ、副会長、審議員会副議長41名が参加し、「『。新成長戦略』を実行し、サステイナブルな資本主義を確立する」を統一テーマに討議した。また討議後、「夏季フォーラム2021総括提言~サステイナブルな資本主義への転換を加速する」を全会一致で採択した。
開会式では、冒頭、十倉会長より、岸田文雄自民党新総裁への期待と経団連の取り組み深化への決意が示された。
1日目の第1セッションでは「グリーンイノベーション」と題して、旭化成名誉フェローの吉野彰氏(2019年ノーベル化学賞受賞)から講演を聴くとともに意見交換した。
第2セッションでは「デジタルトランスフォーメーション」と題し、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏と内閣官房参与(デジタル政策担当)の村井純氏によるパネルディスカッションを聴くとともに意見交換した。
2日目の特別セッションでは、「サステイナブルな資本主義」と題し、ブラックロックのラリー・フィンク会長兼CEOから講演を聴くとともに意見交換した。
第3セッションでは「最近の国際情勢と日本の進路」と題し、富士通フューチャースタディーズ・センター理事長(初代国家安全保障局長)の谷内正太郎氏から講演を聴くとともに意見交換した。
第4セッションでは、4つの分科会に分かれ、それぞれのテーマについて討議。第1分科会(座長=篠原弘道副会長)では「Society 5.0実現に向けたDXのスピードアップ」、第2分科会(座長=杉森務副会長)では「GXに向けたグリーン成長の創出と国際戦略の構築」、第3分科会(座長=渡邉光一郎副会長)では「産業構造の転換を見据えた働き方、人材育成」、第4分科会(座長=佐藤康博副会長)では「人口減少による社会構造の転換とサステイナブルな日本社会」をテーマに、それぞれ集中的に議論した。
第5セッションでは、各分科会座長から、討議に関する報告の後に、今後の経団連活動のあり方について参加者全員で議論した。
各セッションの登壇者の講演概要は、「月刊経団連」11月号で詳報する。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】
夏季フォーラム後に十倉会長が隅副会長と記者会見
経団連の十倉雅和会長は10月1日、「夏季フォーラム2021」終了後、フォーラム議長を務めた隅修三副会長と記者会見を行った。
十倉会長は、フォーラムの2日間の議論の結果を総括提言「サステイナブルな資本主義への転換を加速する」として取りまとめたことに言及。「(総括提言は)わが国が向かうべき方向性と克服すべき課題について、(1)Society 5.0実現に向けたDXのスピードアップ(2)GXに向けたグリーン成長の創出(3)産業構造の転換を見据えた働き方、人材育成(4)人口減少による社会構造の転換とサステイナブルな日本社会――を柱に整理し、提起した。経団連は社会性の視座を堅持しつつ、社会変革の旗手という気概で、政府との連携のもと、国民、社会の支持を得ながら、これら課題の実現に取り組む決意である」と強調した。なかでもDXの加速をめぐっては「新設されたデジタル庁には民間の知恵が不可欠であり、政策遂行に向け、庁内での官民による侃々諤々の議論を期待している。デジタル臨調の設置を視野に、官民の密接な連携で、社会全体のDXを早急に進めていかなければならない」と述べた。
岸田自民党新総裁、党役員人事については「岸田総裁は、強力かつ多様性のある党役員人事を発表された。チーム内の対話を密に、一丸となって国難に立ち向かうお考えから、それを可能とする陣容を整えられたと認識している。党役員がチームとして岸田総裁を強力に支え、政策が着実かつ迅速に実行されることを期待している」と述べた。
【広報本部】