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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年10月14日 No.3517 働き手のエンゲージメント向上に向けた副業・兼業の促進 -労働法規委員会

左から魚崎氏、天明氏

経団連は9月16日、労働法規委員会(冨田哲郎委員長、芳井敬一委員長)を開催し、新生銀行グループ人事部の魚崎敦司シニアマネージャーと天明純一マネージャーから、同行における兼業制度について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 制度導入の目的

当行は、2018年4月に兼業を解禁した。解禁の目的は3点ある。1点目は「イノベーションの創造・行員の成長」である。同行でのイノベーション創造や行員自身の成長に、兼業を通じて構築した外部とのネットワークや蓄積したスキル・経験を活かすことを期待している。

2点目は「働き方の多様化・魅力的な職場づくり」である。多様な働き方が可能で、魅力的な職場であることを打ち出し、新規採用や退職防止等でのアピールポイントにしている。

3点目は「当行人材の活用・外部人材の確保」である。(1)銀行業特有のノウハウを持つ行内のシニア人材に、取引先等での兼業においてスキルを有効活用してもらうこと(2)今後、獲得競争の激化が予想される外部の専門人材(AI技術者、データサイエンティスト等)に兼業者として働いてもらうこと――を考えている。

■ 業務内容・対象者

兼業の業務内容については、コンプライアンス(競業・利益相反等)や安全配慮の観点を除き、特に制限せず広く認めている。行員個々人と丁寧に相談し、希望に極力沿うよう努めている。対象も、入行後一定年数の経過したフルタイムの正社員に限らず、有期雇用を含む全行員としている。さらに、個人事業主としての業務契約に限らず、一定の条件のもとで他社に雇用されることも認めている。

■ 導入効果

21年7月時点で、個人事業主(非雇用型)で約70名、他社雇用型で約10名が兼業している。業務内容や性別・年齢に偏りはない。制度を導入した当初は、趣味に近いものも多かったが、現在は本業の延長線上と位置付けられる業務が増えている。実際に兼業している行員からは、「本業と異なる環境での刺激を得られる」「視野が広がった」「頭の整理につながった」といった感想が寄せられている。当行も、豊かな発想やアイデアの創出、働きやすい会社であることの内外へのアピール、行員の退職防止や自律的なキャリア形成につながっていると感じる。

【労働法制本部】

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