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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月11日 No.3521 大統領選挙を控え経済発展に取り組むブラジル -日本ブラジル経済委員会企画部会

山中氏

経団連は10月26日、日本ブラジル経済委員会企画部会(佐藤真吾部会長)をオンラインで開催し、経済産業省通商政策局の山中修審議官から、最近のブラジルの政治・経済情勢について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ ボルソナーロ政権の政策と大統領選挙の行方

ボルソナーロ大統領は、2018年の大統領選挙において、大規模な汚職疑惑に起因する国民の政治不信の受け皿となり、当選を果たした。政策面では、市場経済化と、いわゆる「ブラジルコスト」(複雑な税制、手厚い労働者保護等のビジネス上の課題)の低減に向けた前政権の流れを引き継ぎ、年金、税制、財政、行政、民営化等の大規模な構造改革を着実に推進している。

今後、22年10月の大統領選挙に向けて、再選をねらうとみられているボルソナーロ大統領がいかに新型コロナウイルスを収束させ、経済回復と構造改革を進められるかが注目される。立候補する権利を回復したルーラ元大統領が現時点では高い支持を得ているものの、新たな第三極候補が現れる可能性もあり、今後の動向を注視していく必要がある。

■ ブラジル経済の現状と展望

新型コロナの苦境を経て、21年には、経済活動の再開、資源価格の上昇等によってブラジル経済は回復しており、21年は前年比プラス5.2%の経済成長が見込まれている。ただ、足元では、最大の貿易相手国である中国経済が減速しており、資源価格や輸出産業にどのような影響を及ぼすか懸念される。加えて、歴史的な渇水による電力不足、インフレ、通貨レアル安等の行方についても、今後のブラジル経済を見通すうえで重要な要素となる。

■ 日伯経済関係の強化に向けて

ブラジルの貿易相手、投資元をみると、日本は現在、中国、米国に次ぐグループに位置している。日本はブラジルから主に鉄鉱石や食料等を輸入し、ブラジルへは自動車部品等の工業製品を輸出している。日本からの投資については、長年にわたり自動車、インフラ等が牽引しており、19年にはここ数年で最大を記録した。

日伯の政府間では19年に3度の首脳会談を行うなど、良好な関係を構築しており、引き続き政府間対話の枠組みも活用して、ビジネス環境を改善していきたい。

【国際協力本部】

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