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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月25日 No.3523 地方創生の実現に向けた地域づくりの視点と協創のあり方 -地域経済活性化委員会

経団連の地域経済活性化委員会(古賀信行委員長、小林哲也委員長、月岡隆委員長)では、地方創生の実現に向けて、地域や業界の垣根を越えた多様な主体との連携のあり方を検討している。11月4日開催の委員会では、新潟県の越後妻有地域(十日町市・津南町)で開催する「大地の芸術祭」の中核を担う2名が、芸術祭が地域にもたらす効果をテーマにそれぞれ講演した。

はじめに、北川フラム大地の芸術祭総合ディレクターが登壇。日本有数の豪雪地であり、高齢化や過疎化が進む同地域において、来場者が50万人を超える世界最大級の国際芸術祭をどのように実施してきたかを説明した。北川氏は、特に、地域への展開にあたって、住民の理解を得るために説明会を繰り返し開催してきたことを強調。アートとは、元来自然と人間の関わりを示すものであり、アーティストは地域の特徴を見いだして作品にする能力が高いが、展示を受け入れる地域の住民はその発想に追い付けないこともあり、地道な説明が重要であったと振り返った。また、「越後妻有8万人のステキ発見事業」として、住民や旅行者を対象に、地域の魅力を表す写真や言葉を募集してコンテストを開催するなど、開催地域の一体感の醸成を図ってきたと紹介した。

こうした取り組みの結果、現在は、「アートを道しるべに里山をめぐる旅」「あるものを活かし新しい価値をつくる」「地域・世代・ジャンルを超えた協働」など、「大地の芸術祭10の思想」に沿って、住民参加のもと、自然や棚田、空き家や廃校といった地域の特徴・資源を活かして、芸術祭が運営されるようになっていると述べた。

続いて、新潟県十日町市の関口芳史市長が、「大地の芸術祭で生まれ変わる越後妻有」と題して講演。(1)越後妻有地域における来訪者数は大幅に増加しており、特に女性、若者、外国人のファンが多い(2)海外との交流機会が増加するなかで、日本国内だけではなく、都市と地方の分断の解消をはじめとする世界各国の課題解決にこの芸術祭を活用しようとする動きが広がってきている(3)芸術祭のサポーターである「こへび隊」が地域住民との交流や協働を活発に行うことで、芸術祭への地域の理解促進と地域活性化を同時に生み出している――など、芸術祭によって地域にもたらされた好影響を具体的に紹介した。

また、芸術祭を契機にさまざまな人のつながりが生まれ、地域の再生が進んでいることを強調。空き家を活用した農家レストランや、廃校を会場にした芸術作品の展示、ひなびた観光地のリニューアルによる集客の拡大など、「生まれ変わった地域」の好事例を紹介するとともに、地域おこし協力隊を通じた若者の移住や地域での活躍が顕著になっていると指摘した。

最後に、経団連との協創について、(1)芸術祭プログラムを活用した人材育成・企業研修の実施(2)ワーケーション施設の活用(3)企業版ふるさと納税を通じた大地の芸術祭への支援――などを挙げ、今後の連携に期待を示した。

【産業政策本部】

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