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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年2月3日 No.3531 連合との懇談会を開催 -今年の春季労使交渉における諸課題について意見交換

十倉会長

芳野連合会長

経団連(十倉雅和会長)は1月26日、東京・大手町の経団連会館で日本労働組合総連合会(連合、芳野友子会長)との懇談会を開催し、今年の春季労使交渉をめぐる諸課題について意見を交換した。

冒頭のあいさつで十倉会長は、コロナ禍が長期化するなか、企業は持続可能な成長に向けて事業活動を継続していく必要があり、働き手や株主、社会など多様なステークホルダーとの価値協創が重要になるとの認識を示した。そのうえで、「大切なステークホルダーである働き手との価値協創により生み出された成果の分配に向け、企業の責務として『賃金引き上げ』と『総合的な処遇改善』に取り組むことが不可欠」と強調した。また、「賃金引き上げのモメンタム」の維持と「サステイナブルな資本主義」の実現に向けて、労使による真摯な議論を呼びかけた。

一方、連合の芳野会長は、「長きにわたりわが国の実質賃金は低迷し、コロナ禍にあっても賃金が増加している他の主要国に後れを取っている」と指摘。未来をつくるため、月例賃金にこだわり、「底上げ」「底支え」「格差是正」を図る必要があると訴えた。

続いて、連合側は「2022連合白書」、経団連側は「2022年版経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)を説明した後、自由懇談を行った。

連合側からは、コロナ禍からの回復に向けた課題として、増加した失業者の早期の再就職や社会的な賃上げの必要性について発言があった。これに対して経団連側からは、「デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)などへの投資により、良質な雇用を生み出すことが重要」「働き方改革による労働の質の向上を通じて、成長と分配の好循環の種をまくことが大切」との考え方を示した。

また、連合側から、「ジェンダー平等・多様性推進」について、男女ともに仕事と育児等を両立できる環境を整備するために、労使の積極的な取り組みを求めるとの意見があった。経団連側からは、「社会全体のジェンダー・バイアスの払拭に向け、労使が発信していくことが重要」と応じた。

このほか、連合側からは、「企業規模間の格差是正」や「雇用のセーフティーネットの確保」「ビジネスと人権」「カーボンニュートラルの実現とDXの推進」などに関する発言があった。

一方、経団連側からは、働き手の価値観の変化に対応した総合的な処遇改善や社会保障改革の必要性に言及したうえ、労使が連携して取り組むことが重要との認識を示した。

最後のあいさつで連合の芳野会長は、労使の目指す方向は一致しているとしたうえで、経営側に対し、「労使協議のなかで、職場の労働者が何を考え、何に関心を持っているのかについて耳を傾けてほしい」と呼びかけた。

これに対し、十倉会長は、目指すべき社会像は労使で軌を一にしており、まさに協創の関係にあると応じるとともに、「ポストコロナを見据え、サステイナブルな経済社会の実現に向けて連携して取り組んでいきたい」と述べた。

【労働政策本部】

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