Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年2月24日 No.3534  経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム「グローバル・ビジネスの現状と課題」 -2021年度最終講義を実施

経団連は1月31日、「経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム」導入講座「グローバル・ビジネスの現状と課題」の2021年度最終講義を開催した。

同講座は、企業の実務担当者による講義を通じ、グローバル・ビジネスで働くことの学生への動機付けのため、上智大学との連携のもと、PBL(Project Based Learning)型の教育プログラムとして、12年度から同大学の秋学期に実施している。経団連会員企業9社(※)の担当者が週替わりで講師を務め、各社のグローバル事業の現状や直面している課題、グローバル人材として必要な資質や能力等を講義し、学生はレポート課題の提示やフィードバック、グループ討議のファシリテーションを通じて、グローバル・ビジネスに従事する際の視点を学ぶ。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインで行われた最終講義には、受講学生と協力企業9社の講師および関係者、担当教員の網倉久永上智大学経済学部長・教授、出口真紀子同グローバル教育センター長が出席した。「グローバル人材になるという目標と、現在の学生の意識との間にギャップがあるとしたら、それはどのようなことか。そのギャップを埋めるために、企業・学生・大学がそれぞれ取り組めることを提言せよ」との課題に対し、学生の各グループが熱を込めて自らの考えなどを発表した。

発表のなかには、大学に対して、多様な発想が生まれる環境づくり、「企業が求めるグローバル人材」に関する学生への情報提供等を、経団連に対して、企業と学生が日常的に交流する場の創出を提案・提言するものもあった。学生の発表に対して、企業人講師が「グローバル人材像の分析・定義が素晴らしい」「着眼点が良い」「考察がしっかりしている」などと講評した。

最後に出口氏があいさつし、「社会に出た時に役立つのは、多様性の受容と好奇心である。さまざまな情報を収集することで好奇心が生まれる。上智大学は、世界中の情報を収集・分析する能力を伸ばす場を学生に提供したい」と総括した。閉会後、引き続きオンラインで懇親会を開催し、各社の講師・関係者と学生が交流した。

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なお経団連は、今年4月から、上智大学において、「グローバル・ビジネスのフロンティア」を開講する。同講座は、上述のカリキュラムの応用講座であり、日本企業がグローバル・ビジネスにおいて直面している課題の解決策について、討議や調査を通じて考察する。

※ 日本通運、三井物産、ヴェオリア・ジャパン、住友生命保険、損害保険ジャパン、
三菱電機、ダイキン工業、イオン、IHI(講義実施順)

【SDGs本部】