経団連は2月2日、内閣府と共催で、「ダイバーシティ&インクルージョン時代における初期キャリア形成」をテーマにダイバーシティ・マネジメントセミナーをオンラインで開催した。全国から1000名以上が参加した。
西井孝明味の素取締役代表執行役社長最高経営責任者による基調講演の後、淡路睦千葉銀行取締役常務執行役員(グループCHRO)、本島なおみMS&ADインシュアランスグループホールディングス執行役員(ダイバーシティ&インクルージョン担当)が自社の取り組み事例を紹介した。概要は次のとおり。
■ 基調講演「味の素株式会社のD&I推進~女性リーダーの育成を中心に」
西井氏は、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を重要な経営戦略に位置付け“キャリアダイバーシティ”によって社員から『働き続けたい』と選ばれる会社を目指している」と説明。このキャリアダイバーシティとは、社内には多様なキャリアの可能性があることを社員に知ってもらい、マネジメントサイドが社員に対して入社早期から対話を切らさず、期待を伝え続ける取り組みのことである。また、「D&Iを推進するためには、経営者のリーダーシップ、制度などの環境づくり、本人への動機付けの3つが必要であり、経営者は男性中心のボーイズクラブ的な発想を打破する覚悟が必要」と述べた。
■ 事例紹介
淡路氏は、「地域金融機関として、地域全体にダイバーシティ推進を広げていく」ことを使命としていると強調。事例として、(1)企業・団体が所属する「輝く女性の活躍を加速するちばのリーダーの会」を発足させ、研修等を通じて、参考になる取り組みを相互に紹介していること(2)所属長の評価項目に「ダイバーシティ」等を追加し、管理職の意識改革に取り組んでいること――を紹介した。
本島氏は、「『多様なリスクを見つけて伝え、リスクの影響を小さくし、経済的負担を軽減する』というビジネスモデルを実現するには、組織で多様な考え方や価値観が健全にぶつかり合うことが不可欠」と説明。事例として、若手社員と経営層でゼミを結成しオンラインで論議する「e-ビジネスゼミ」など、多様性を尊重する企業カルチャーの創出につながる取り組みを紹介した。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】