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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年3月17日 No.3537 「働く女性のヘルスケア」に関するオンラインセミナーを開催

ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、女性のライフステージの変化に応じたキャリア形成を支援するうえで、女性特有の生物学的な課題の克服は避けて通れない。経団連は、女性自身および企業のマネジメントが働く女性のヘルスケアについて正しく理解し、各社における取り組みを促進するため、2月21日、オンラインセミナーを開催した。会員企業から300名以上が参加した。

内科医で産業医・労働衛生コンサルタントの野尻紀代美医師が、産業保健の観点から女性活躍と心身ケアについて講演。その後、次原悦子経団連ダイバーシティ推進委員長(サニーサイドアップグループ社長)と山中雅恵パナソニックシステムソリューションズジャパン取締役執行役員副社長が「女性社員の“ウェルビーイング”を実現するための健康経営施策」について対談した。最後に、W societyの活動について、谷村江美同プロジェクト事務局長が紹介した。概要は次のとおり。

■ 女性のキャリアステージに応じたサポートの必要性

野尻氏は、「女性は男性と異なり、ホルモンバランスの変化がQuality of Life(QOL)を直接的に左右する。企業は、その点を踏まえ、働く女性の健康・医療をサポートする必要がある」と説明。

女性が社会で活躍するためには、まずは、月経異常や子宮頸がん、更年期障害など、キャリアステージに応じた女性特有の疾患を幅広い健診の機会で早期に発見し治療することが重要であると指摘した。

また、日本では、家事や育児が女性に偏る傾向がいまだに強いことから、保育園だけでなく、シッターやリモートワークの補助などのサポートも必要と指摘。企業が不妊治療や妊娠、子育てに対する理解を深め、それをバックアップするきめ細かいサポート環境の整備を求めた。

■ 変化の時代に対応する「これからの健康経営」

次原氏は、「サニーサイドアップグループでは、『仕事面に加えてプライベートもサポートすることが大切』との考えのもと、独自の福利厚生である『32の制度』を整備している」と紹介。卵子凍結の費用補助や「AMH検査」と呼ばれる卵巣の予備能(卵巣の中に残っている卵胞の数の目安)を確認する血液検査の機会も提供するなど、社員が自分らしく働き生きられるよう、社内外の声を日々制度にアップデートしていると説明した。

山中氏は、パナソニックシステムソリューションズジャパンにおける、女性特有の事情と仕事の両立をサポートする各種制度について触れたうえで、個々の事情に合わせた働き方を選択できることが大切だと説明。「時代の変化に応じて、企業が現場で求める声に適切に対応していくことが、これからの健康経営で大切だ」と述べた。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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